慈狂の花束
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戻って四季家庭。
大和と唄音は風呂にもはいり、あとは寝るだけ、というところまできた。
「お休み唄音」
「お休み大和」
それだけいって大和は自室のベッドに潜る。
「…はぁ」
ため息をついて、深い闇に身を任せた…
クスクス…クスクス…
『唄音…ボクは君を護るよ…』
お前は…カグラ…カグラなのか?
大和の意識の中、聞こえる声。
『大丈夫だよ。君は悪くない』
カグラ、なにをしている?
あれはカグラだよな…?雰囲気が似てる…黒髪に赤い瞳、その外見より…雰囲気が、似てる。
カグラ。あれはカグラだー…。
「「カグラ…!」」
俺と唄音の声が重なる。唄音は気づいてない。俺は、そこで違和感を覚えた。
「どうして…唄音がカグラを知ってるんだ?」