慈狂の花束
□11.5
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バリンンンッ!
「羅音!?」
羅音が彰の胸倉を掴んでいた。
麻都はそれをみて思わず叫ぶ。
「よろしくなんてしたくないわ。舞原彰。あんたは、あたしと麻都をこんなゲームに巻き込んだんだから」
「なん…の」
一応挟んでおくが羅音は普段姿をみせない。よくありそうな狐のお面のようなもので口より上を隠している。
なので目立つが、あまり目立たない。
彼女の存在感自体が薄いから。
「羅音、やめなさいっ!」
「うー。麻都そんなに怒らないでもいいとおもう!」
「彰くん…だよね。私は麻都…。この市の通り魔について調べにきたの」
麻都がそういうと、彰は顔を青ざめさせた。麻都と羅音はそれを見逃さない。
「…やっぱり関連してるわね?」
「…っ」
「正直に話してくれないかな。…そうしないと…東京中に…日本中に、たくさんの犠牲者がでてしまうかもしれない」
麻都の意味深な発言に、彰が答える。
「…どういう、ことです、か?」