慈狂の花束
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大和は家に帰るなり、ぼすんとベッドにダイブした。
優奈は無事帰ったというメールがきたし、唄音は一階で夕飯を作っている。
…にしても今朝みた「紅い光景」はなんだったのだろうか?
色んなことがありすぎて今日はただひたすらにつかれた。
「寝よ…」
そこで、大和の意識は闇にしずんでいった。
………
「よし、できた!」
唄音は小さくガッツポーズをとると、自家製のハンバーグを仏壇の前に置く。
「…父さん、母さん、あのときの…レシピ通りのハンバーグだよ」
唄音はそう言い、仏壇の前で手を備えるとすぐに立ち上がり、階段から大和を呼ぶ。
「大和ー、夕飯できたよー」
沈黙。
「あり…?」
唄音が大和によびかける。
「やぁーまぁーとぉーくぅーん、夕ー飯どぅえーきぃーたぁーよおぅー!」
返答なし…(泣)
「…大和疲れちゃったのかな?」
何と無く唄音にはそんな気がしたので、唄音はハンバーグを冷蔵庫にいれ自室にもどり大和にメールをおくった。