慈狂の花束

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ー輪廻ー
回転する車輪がきわまりないように,衆生が死後,迷妄の世界である三界・六道の間で生死をくり返すこと。仏教の基本概念。流転。

人間も、この輪廻を繰り返すことでサイクルがおきる。
輪廻は元から決まってる。
神様が抗う者に罰をあたえるかのように。輪廻と運命を繋ぐ楔を、ダレカがもつように。

唄音に激怒されたのはあれが初めてかもしれない。あのあと、唄音にメールしてあやまっても全然返答がなかった。
唄音のブログにもなにも書いてない。
参った…。

「ごめん唄音…」

大和は夕飯を食べたあと、またベッドにダイブして眠りにつきそうになる。しかし、その眠る直前ケータイが震える。

「…?」

送信元は「唄音」。
受信ボックスをひらくと、

「私も怒りすぎた。
ごめん。…私、さきにお風呂はいってくるね。」

とかかれていた。直後、階段を駆け降りる音が響く。

「…唄音…」

唄音と喧嘩したの…何年前だっけ、など思いながら大和はケータイを弄る。
そしてパッとベッドから飛び降りCDをコンポにセットした。
CDから、妖艶で魅力的な声が響きわたる。そしてそれに合わせて鼻歌を歌いだす。
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