慈狂の花束
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クスクス。クスクス。
「あなたは…誰なの?」
私は目の前にいる少年に話しかける。少年は言った。
「ボクはカグラ。」
「…カグラくん?」
そう、カグラ。とカグラはまたクスクスと笑いだした。彼は私が帰ってからいた。すでにこの四季家の家族のように。
学校から帰れば彼がいた。大和の姿はそこになかったから、クラブ活動でもしてるのかな、と思って大和のことはスルーした。…それよりカグラくんに対して、私はなんの感情ももっていなかった。
感情がもっていない、って表現的にはおかしいかもしれないけど。
ただカグラくんに対し一つ思ったこと。
優しさにも似た懐かしさ…
カグラくんに対して、私は聞く。
「何をしにきー…」
何をしにきたの?ときこうと私が言葉を紡ごうとする前にカグラくんはリビングの方に指を指した。
カグラくんは優しく言葉を放つ。
「君を…君にとってのアクマを殺しにきたんだよ」
カグラくんと私の視線の先には紅(あか)、紅(アカ)、紅(センケツ)。