慈狂の花束
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「ただいま大和」
「お帰り。」
唄音は目の前の光景を疑う。大和が、エプロンをつけていてキッチンに立っていたから。
「やややや、大和ぉ!?これどういうこと?!」
「唄音落ち着いてってば」
大和がいうには、たまには料理つくりたいな、と思ったら卵があったからオムライスでも…とのことらしい。
「珍しい〜。ヤリがふってくる」
「熱々のチキンライスぶっかけてやろうか?」
大和はチキンライスを唄音に見せながら少し微笑む。大和の手作りか。楽しみ。なんて思いながら制服から私服に着替える。
そして華麗に大和のブラックジョークをかわす。
「え、おいちょ待っ、無視!?」
「無視じゃない。大和の冗談かわしただけよ」
「それを世の中では無視というんだ」
憂鬱そうな大和が包んだオムライスはかなり美味そうだった。お世辞抜きで。
「わ、美味しそ…」
「だろ〜。はいケチャップ」
大和がオムライスにケチャップをかけおわったのか、唄音にケチャップをわたす。
大和のオムライスをみると案の定「赤飯」とかかれていた。
「…ニコ厨」
「そういう唄音だって!」
唄音が自分のオムライスを見ると無意識だったのかそこには「うさ」とかいていた。
「へー、うささん好きなんだ」