慈狂の花束

□07
1ページ/3ページ



「ただいま大和」

「お帰り。」

唄音は目の前の光景を疑う。大和が、エプロンをつけていてキッチンに立っていたから。

「やややや、大和ぉ!?これどういうこと?!」

「唄音落ち着いてってば」

大和がいうには、たまには料理つくりたいな、と思ったら卵があったからオムライスでも…とのことらしい。

「珍しい〜。ヤリがふってくる」

「熱々のチキンライスぶっかけてやろうか?」

大和はチキンライスを唄音に見せながら少し微笑む。大和の手作りか。楽しみ。なんて思いながら制服から私服に着替える。
そして華麗に大和のブラックジョークをかわす。

「え、おいちょ待っ、無視!?」

「無視じゃない。大和の冗談かわしただけよ」

「それを世の中では無視というんだ」

憂鬱そうな大和が包んだオムライスはかなり美味そうだった。お世辞抜きで。

「わ、美味しそ…」

「だろ〜。はいケチャップ」

大和がオムライスにケチャップをかけおわったのか、唄音にケチャップをわたす。
大和のオムライスをみると案の定「赤飯」とかかれていた。

「…ニコ厨」

「そういう唄音だって!」

唄音が自分のオムライスを見ると無意識だったのかそこには「うさ」とかいていた。

「へー、うささん好きなんだ」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ