慈狂の花束
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「え?舞原来てないんですか?」
大和は今日も演劇部に出くわしていた。
ちなみに大和は今回の演劇は1番楽しみにしているらしい。
「せっかく舞原いい役だったのに」
「いい役って?」
ー悪ノ娘ー
とある王国にて傍若無人な振る舞いをした王女が処刑される話。
ボカロだ←
彰は王女の召使役を演じることになっていたのだが、彰の姿をここ最近見ていなかった。
「まぁ、舞原が明日こなければ梨本先生に聞くから。」
悠斗は衣装を着ながら優しく微笑む。
優しく温和な大商人という役は悠斗にぴったしといったところか。
「…いいなぁ、これだったら俺も劇でたかった!」
「悪いねぇ…生憎エキストラも足りてるんで」
「リア充氏ね!」ボソリ
「あ゛?」
「いやすんませんマジで何でもないですすみません武内先輩」
二人は顔を見合わせて笑う。
と、その時だった。
「武内さーん、暗幕足りないんですけどー!」
「お、わかった。じゃあな大和。雑用終えていいぞ」
「すみません…じゃあ失礼します」