慈狂の花束
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「夏樹さ、誰に秋祭り招待したんだ?」
冬樹は夏樹のマンションでくつろぎながら夏樹に聞く。
夏樹の考えは本当に唐突だった。
そうだ、京都に行こう。のようなノリ。
「…えっと…唄音ちゃんと優奈ちゃんと匠くんに電話はした。あとは梨本先生にたのんで彰くんにも」
「ごめん、約二名知らない」
冬樹は苦笑しながらいう。夏樹は当たり前だというようにサラリと言った。
「匠くんは、高一の子。彰くんは…今訳ありで入院してる中一の子」
「…そんな隠さなくったってさ〜、告っちゃえばぁ?」
冬樹の言葉にお茶を注いでいた夏樹は、急須を落とす。
顔は真っ赤で、恥ずかしそうに。
やっと夏樹からでてきた言葉は、「な…なな…」と。
冬樹はニヤニヤしながら夏樹に聞く。
「四季。好きなんだ「うああああやめてよ冬樹っ!」ははっ。」
「ははっ。じゃないし!なんでわかったの?!」
「え〜?な・ん・と・な・く!かな」
悪戯っぽく笑う冬樹にたいし、夏樹は顔を赤くして拳を握っていた。