慈狂の花束

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「…名簿到着」

夏樹は一人小さくつぶやく。
メールを確認して、メールアドレスを一つ一つ的確に打ち込みながらメールの文を考える。

「…よし。…これでいっか」

夏樹が打ち込んだメールの内容。

――――

こんにちは。高2-3の由良夏樹です。
以下のメンバーで、紅葉祭に行きませんか?

・舞原彰
・四季大和
・御堂優奈
・武内悠斗
・佐倉匠
・四季唄音
・由良冬樹
・由良夏樹


どうですか?というかみなさん多分いけると思いますが…。
では、お返事を待っています。

――――


「…これでいいか。」

メールの本文を確認し、送信ボタンを押す。送信中10%、30%、83%、100%《送信完了しました》の文が表示される。
頑張った自分。

すると、ピンポンと音がなる。

冬樹が来たのだろうか。

「はい…」

ドアをあけて直後に、右頬を殴られる。

「っーなにするんでっ…!」

殴った奴をみてやろうと、顔を見ると…そこにいたのは夏樹が1番恐れていた人間。
「なんで……父さんが…!?」

「…久しぶり。夏樹」

…また、地獄が始まるんだ。
さよなら。あの楽しかった時。
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