慈狂の花束
□18
1ページ/6ページ
「…名簿到着」
夏樹は一人小さくつぶやく。
メールを確認して、メールアドレスを一つ一つ的確に打ち込みながらメールの文を考える。
「…よし。…これでいっか」
夏樹が打ち込んだメールの内容。
――――
こんにちは。高2-3の由良夏樹です。
以下のメンバーで、紅葉祭に行きませんか?
・舞原彰
・四季大和
・御堂優奈
・武内悠斗
・佐倉匠
・四季唄音
・由良冬樹
・由良夏樹
どうですか?というかみなさん多分いけると思いますが…。
では、お返事を待っています。
――――
「…これでいいか。」
メールの本文を確認し、送信ボタンを押す。送信中10%、30%、83%、100%《送信完了しました》の文が表示される。
頑張った自分。
すると、ピンポンと音がなる。
冬樹が来たのだろうか。
「はい…」
ドアをあけて直後に、右頬を殴られる。
「っーなにするんでっ…!」
殴った奴をみてやろうと、顔を見ると…そこにいたのは夏樹が1番恐れていた人間。
「なんで……父さんが…!?」
「…久しぶり。夏樹」
…また、地獄が始まるんだ。
さよなら。あの楽しかった時。