慈狂の花束
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「…え?」
「四季先輩っっ!」
目の前が暗くなる。大和に痛みはない。目をあけると、部員たちが小道具をどけていた。ぼう、と視線を声をかけた先輩…武内悠斗(タケウチユウト)のほうにむけると、必死に誰かに声をかけていた。
誰だろう?とおもい部員の制止をふりきり悠斗のほうに歩く。
するとそこには…
「…ま…いはら?」
頭が血だらけの彰が、悠斗の肩にぐったりとよりかかっていた。
小道具を誤っておとしてしまった、と女子部員が泣きながらはなしてくれた。
彼女を責めることは何故かできなかった。ただ大和は彰に近づき、彰に声をかけることしかできなかった。
「…嘘っ…舞原…死なないよな?」
「大和、大丈夫…大丈夫だから落ち着け!」
悠斗の声で大和は我に帰る。悠斗は大和にたいし、言葉を続ける。
「舞原は保健室につれていく。大和…お前は…帰れ」
「…武内先輩…」
「いいから」
悠斗は真顔で、大和にいうと、大和は自分のバッグをもって自宅に帰ろうとした。
その瞬間。
「あら、偶然ね」
「唄音…!」
「どうしたの?顔色悪い…」
唄音が心配そうに聞くと、大和は笑顔でこたえた。
「ナンデモナイヨ?」