慈狂の花束
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「っああ…ああああ!!」
どうして!どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!
「悠斗っ…!」
「フウヤを…フウヤを返せ!」
フウヤが、フウヤがなんで死ぬ!? フウヤが死ぬ理由(ワケ)なんてどこにもないじゃないか!
「悠斗、落ち着いて!」
「黙れ尚人!フウヤが、フウヤが殺されたんだ!殺す、フウヤを殺した奴を殺す!」
「悠斗っ!やめろ!なぁ…悠斗!」
「尚人には関係ないだろ!」
俺は尚人を振り払った。尚人はそれにたいし哀しげな目を送る。俺はそれを無視してフウヤの家にむかった。
フウヤは、俺を闇から光に引きずりだしてくれた。いじめをうけていた俺に居場所をくれた。なのに。
数日前、フウヤ…嶋野楓夜は殺された。通り魔によって。
俺が、黄燐学院に入学して二ヶ月たったくらいの時に。
にくい。ニクイ。
殺したあいつが憎い。
「フウヤを返せぇっ!」
俺はただ叫びながらフウヤの家に向かう。途中呼び止める人の言葉を無視して。フウヤが殺される理由を教えろ。
フウヤを返せ!