Hello 第2章 

□もう1人の男の子
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そろそろ家に着いた頃かな。。。



時計を確認すると23:15。



携帯を開いて短縮1に掛ける。



再会したあの日、新しい携帯番号を
直ぐに短縮1に登録した。



トゥルルル…



「もしもし、ジンギ君!?」



名無しさんヌナの声に気持ちが弾む。



『お疲れ様。もう家には着いた!?』



仕事終わりが遅いから
無事に帰宅したのか心配になる。



「うん、さっき家に着いたとこ。
ジンギ君は今日のお仕事はもう終わり!?」



『うん、明日が朝から仕事だから
今日はもう終わって宿舎にいるよ』



明日のスケジュールは
朝からお昼過ぎまでで
遅くても夕方までには終わる。



『名無しさんヌナのお休みっていつ?』



少しでも時間が合えば
名無しさんヌナと会いたいから
それとなく聞いてみる。



「明日はお店の定休日だからお休みだよ」



へっ!?明日。。。!?



小さくガッツポーズをして
早速名無しさんヌナを誘ってみる。



『ほんと!?じゃ夕飯一緒に食べようよ!!!
遅くても夕方までには終わるから
何食べたいか決めておいてね』



もうすでに僕の頭は明日の事でいっぱいだ。



「ごめん、明日はちょっと…」



えっ、今何て。。。!?



てっきりO.Kだと思っていたから
咄嗟に返事が出来なかった。



『あ、そっか…じゃ夜にでも電話していい!?』



落胆した気持ちが声に出ないように
気にしながら話す。



「電話に出れないかもしれないから
私からするね…」



じゃまたねとだけ言うと
電話は切れてしまった。



ツーツーと回線が切れた音が
空しく耳に聞こえた。



名無しさんヌナってば夜になっても
電話に出れないかもなんて
一体何をするんだろう。。。



答えの分からない問題が
グルグルと頭を駆け巡る。



取りあえず、明日の電話を待ってみよう。。。



膨らんだ気持ちが急速にしぼんで
何だか悲しい気分になった。



もう寝よう。。。



明日が早いからと自分に言い聞かせて
早々にベッドへ潜り込んだ。
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