Hello 第2章 

□恋敵!?
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僕の目の前に座ってる男の子は
どこをどう見ても小学生。



一体この男の子は誰。。。!?
何で名無しさんヌナの家に居るの。。。!?



疑問が次から次へと湧き上がって
無意識に男の子に視線がいく。



リビングのテーブルを挟んで
男の子もこっちを見ていて
お互いに様子を探ってる感じ。



さっき名無しさんヌナの家から
飛び出して来た時は
状況が理解出来ずに
その場に固まってしまった。



咄嗟に名無しさんヌナが説明するからと
僕を家に招いてくれたけど
まだ何の説明も無いまま
今に至る訳で…



部屋に入るなりキッチンに入ったきりで
リビングには男の子と僕の2人だけ。



正直、小さい子って苦手だ。。。



そう思っていたら
コーヒーを持った名無しさんヌナが
やっとリビングに現れた。



僕の前にコーヒーを置くと
目の前の男の子を紹介してくれる。



「お隣に住んでるジュンス君、小学校2年生なの」



次に男の子の方を向いて僕を紹介する。



「こちらはジンギ君、ジンギヒョンって呼んでみたら?」



その問い掛けににっこり笑顔で
答えたジュンス。



「はじめまして、ジンギヒョン」



あは、何だかちょっと可愛いかも。。。



『はじめまして、ジュンスって呼んでいい?』



思っていたのとちょっと違って
素直そうなジュンスは
はいと元気に言うと照れたように俯いた。



「はい、ジュンス君のアイス」



さっき名無しさんヌナが下げていた
コンビニ袋のアイスをジュンスの前に置く。



「いただきますっ!!」



置かれたアイスに手を掛けながら
チラっと目線を僕に向けた。



コーヒーを飲む手を止めて
咄嗟に笑顔で返す。



「...」



するとふいっと視線を逸らして
何事も無かったように
アイスを食べ始めた。



あれっ、今無視された。。。!?



一瞬の出来事に気のせいかもと思いながら
名無しさんヌナに視線を向ける。



『名無しさんヌナ、どうしてジュンスがここに?』



さっきから気になっているこの状況の
説明を求めて質問する。



『あのね、ジュンス君は
お隣のソンさんちの子なの』



何てことない答えに内心ホッとしながら
その後も色々と話しを聞いた。



名無しさんヌナの話だと
お隣に住んでいるのは
ソンさんと言うお母さんと
ジュンスの2人暮らし。

看護師をしている為に
夜勤の日は夜に居ない事があるみたいだ。

いつもはシッターさんを頼むけど
今日はたまたま空いてなかったらしい。



「ここに引っ越して来た時に
お隣のソンさんには色々と良くしてもらったの。
だから困ってる時には力になりたくて…」



優しい名無しさんヌナのことだから
きっと進んで預かるって
言ったんだろうと妙に納得。



「最近は特に夜勤や急患なんかで
家に居ない時が多いから
この何日かは私と一緒に居たの」



それを聞いて咄嗟に思い出した。



電話をしてこなかったり
約束を急にキャンセルしたり。。。



ここ最近感じた
名無しさんヌナの不審な言動が
今やっと理解出来た。



全部ジュンスの為にした事だったんだ。。。



何だか胸の真ん中があったかくて
自分の彼女を誇らしく思う。



やっぱり名無しさんヌナは優しい。。。



感慨深げに思っていたら
突然、ジュンスが口を開いた。



「名無しさんヌナ…僕、お風呂入りたい」



アイスを食べる手を止めて
名無しさんヌナに甘えるように聞いている。



えっ、お風呂。。。!?



突拍子もない要求に
思わずジュンスの顔を見る。



「分かった、今お風呂の準備するからね」



ソファーから立ち上がると
お風呂の準備にバスルームへ消えた。



何てことないかのように
自然にお風呂の要求をするジュンスに
只ならぬものを感じる。



「ねぇ、ジンギは名無しさんヌナの何?」



へっ!?今誰がしゃべったの。。。!?



思いもよらない人物からの
思いもよらない質問。



しかも“ジンギ”って。。。



突然の問い掛けに
直ぐに答えない僕を軽くニラむ。



「見た感じ友達っぽい…
まぁこんなつまんなそうな男が
名無しさんヌナの彼氏な訳ないかっ!!」



聞こえるような独り言を言い終えると
またアイスを食べ始める。



その様子に一言も返せなくて
只々ぽか〜んと口が開く。



なっ、何だこの変わり様は。。。?



今目の前にいる男の子は
確かにさっきまで
素直にジンギヒョンって
言っていた可愛い男の子。



それが突然、生意気な男の子に変貌した。



宇宙人でも見るように
思わず尻込みしてしまった。
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