Hello 第2章 

□小さな胸の痛み
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「えっ、まだしてないの!?…キス」



驚いてるのか呆れてるのか
キボムは目を真ん丸にしている。



はぁ、だから言いたくなかったんだ。。。



『これには訳があって
邪魔が入ったりとかタイミングとか色々…




キボムの視線を避けるように
楽屋のソファーに沈み込んだ。



まさか小学生にやり込められて
邪魔されてるなんて絶対言えない。



「今どきの小学生ですらキスするのに
オニュヒョンは健全だね…」



うっ、今度は嫌味だ。。。



小さくなって何処かに隠れたい気分だった。



「いや、ド健全だ!!」



何処からともなく話に入って来たジョンヒョンが
僕を指差しながら更に付け加える。



そこまで言わなくたって。。。



確実に褒め言葉に聞こえない
ジョンヒョンの一言にふっと我に返る。



。。。ん!?ちょっと待って。。。



『な、何で彼女がいるってジョンヒョンが知ってるの!?』



キボムしか知らないはずなのに
どうやって知り得たのか
全く分からずに慌てふためく。



「ここ最近のオニュヒョン見てたら
誰だって分かるよ!!」



自分では上手く隠してるつもりだったのに
バレバレだったなんて恥ずかしい。



『えっ、じゃもしかしてミノとテミナにも…!?』



思わず立ち上がってジョンヒョンに詰め寄る。



突然、僕の肩に誰かの腕が回された。



「別に隠さなくてもいいのに…
まっ、隠せてなかったけどねオニュヒョンは!!」



肩を組んですごく楽しそうに笑ってるミノが
何だか悪そうな顔になってる。



がっくり肩を落とす僕に反して
ご機嫌なジョンヒョンとミノ。



後ろから更に追い打ちを掛ける人物。



「もしかしてオニュヒョンは
そういう事に興味が無いの!?」



天使のように可愛い顔して
一番際どい事を言ってのける
うちのマンネ…



テミナにまで言われてる僕って。。。



『僕だってそういう事考えない訳じゃないし…
むしろ考えちゃうっていうか…』



あまり人に言った事無い胸の内を
弟達にさらしてしまった。



「うん、うん、成人男性の自然な思考だよ」



腕組みをしながら頷くミノ。



「そう言うことなら、まずは雰囲気作りからだな!!」



身を乗り出すように
ジョンヒョンが顔を近付けてくる。



『雰囲気作りってどうするの?』



僕もつられてジョンヒョンの方へ
身を乗り出す。



「スキンシップのしやすい状況にもっていくんだよ」



そう言いながら僕の両肩を掴んで
ミノは自分の方に向かせる。



「例えば会話の途中で
黙ってじーっと見つめるとか」



うん、うんと頷いて先を促す。



「3秒見つめ合って彼女の瞳が潤んだら
GOサインだから見逃さないで!!」



ふ〜ん、3秒か。。。なるほどね!!



ミノとジョンヒョンの講義を
真剣に聞いてる僕を
後ろで苦笑いして見てるキボム。



「それよりもまず空気を読む方が先じゃない?
雰囲気作りはその次でしょ!?」



キボムは見かねたようで口を挟む。



「じゃ次回のデートで実践といきますか!?」



ジョンヒョンとミノとテミンが一斉に親指を立てて
僕に作戦実行を決定付けた。
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