Hello 第2章 

□仕返しは・・・
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眩しいくらいの照明が
店内を明るく照らしている中
さっきからウロウロと行ったり来たり・・・



ショーケースの中には
色とりどりのケーキが
お行儀良く並んでいる。



けれどケーキよりも目を引いたのが
その上に飾られた
宝石のようにキラキラとしてる
主役級のフルーツ達。



うわぁ、全部美味しそう。。。



ショーケースを眺めて
すでに15分が経っている。



「あの・・・お客様、お決まりでしょうか?」



見かねた店員さんが声を掛けて来た。



『あっ、えっと…
これとこれを1つずつ下さい』



散々迷った挙句
結局選んだのは最初に見たケーキ。



「ありがとうございました」



店員さんに見送られながらお店を後にした。



ふふっ、ジンギ君喜ぶかな。。。



ケーキの箱を大事に抱えながら
これを見た時の反応を想像すると
自然と笑みがこぼれる。



早く帰ってジンギ君が来る前に
冷蔵庫にしまわないと。。。



マンションまでの帰り道
心なし早くなる足取りで家路を急いだ。



帰宅してすぐにジンギ君からのメール。



To 名無しさんヌナ
Title 終わったぁ!!!


今日の仕事が全部終わったよ。

これから宿舎に戻るから
名無しさんヌナの家に
1時間後くらいには着けると思う。

ほんとはすぐにでも行きたいけど
マネージャーの目があるから
一旦みんなと宿舎に戻るよ…

      ジンギ



1時間後か。。。



直ぐにメールの返信を送ると
夕ご飯の準備を始める。



今日の夕ご飯は
ジンギ君のリクエストで“ハンバーグ”



この前、うちでテレビを観ていたら
有名なハンバーグのお店が紹介されていた。



それを見てたジンギ君が
“ハンバーグ食べたい…”
とつぶやいているのが聞こえた。



はっきりと“作って”って言われた訳じゃないけど
今度来た時に作ってあげようと決めていた。



早速ハンバーグのたね作りを始めると
携帯が点滅してまたメールが届く。



開くと予想通りジンギ君からの返信。



To 名無しさんヌナ
Title Re:終わったぁ!!!


ほんと?ご飯作ってくれてるの?

やった-------!!!

じゃあご飯食べないで行くから
待っててね。

すぐに行くから!!!

        ジンギ



あはっ、ほんとに嬉しそう。。。



メールの文章から
ジンギ君の顔が思い浮かんで
思わず笑ってしまう。



『さぁ、早く作らなくちゃ!!』



腹ぺこジンギ君の為に
夕ご飯の続きに取り掛かった。
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