Hello 第2章 

□男友達
1ページ/8ページ

『えっ、私も行くの!?』



突然の申し出に
つい本音が口から出る。



「駄目かな・・・?」



私の顔色を伺うように
上目使いで見てくる。



うっ、そんな顔されたら断れない。。。



『分かった…一緒に行くよ…』



返事を聞いてホッとしたのか
満面の笑顔で良かったと呟いた。



「実は友達から会わせろって
しつこく言われてて…」



そう言うと照れたように
頭を掻くジンギ君。



はぁ、どうしよう。。。



思わずため息が漏れる。



目の前で嬉しそうにしてる
ジンギ君とは対照的に
私の気持ちは沈んでいく。



その原因は・・・
今度の週末にジンギ君の男友達と
会う事になったからだ。



しかもただの友達じゃなくて
小学校からの親友達。



特に人見知りって訳じゃないけど
ジンギ君の親友に会うとなると話は別。



彼氏の友達に会うだけなのに
何でこんなに気が重いのかって言うと…



やっぱり一番は日本人って事。



それもジンギ君より2歳も年上の私が
果たして彼らのおめがねに適うのか…



それを考えると否応にも憂鬱になる。



もぅ私の気も知らないでっ!!



目の前でご機嫌な様子のジンギ君を見てると
あまりの自分との温度差に
ちょっとイジワルしたくなった。



そんな事を思ってるなんて
知らないジンギ君は
私に話掛けてくる。



「ねぇ、名無しさんヌナ?」



聞こえてるけどあえて返事をせずに
手元の雑誌を見つめる。



一瞬、あれって感じで間が開くと
また呼びかけてくる。



「ねぇねぇ、名無しさんヌナってば?」



横顔にジンギ君の視線を感じて
見たい衝動に駆られたけど
我慢して目線は雑誌のまま。



ほんとは雑誌の内容なんて
1つも頭に入って来ない。



それでも読んでる振りを続けた。



ようやく私が知らんぷりをしてるのに
気付いたみたいで
あたふたしている様子が目の端に入る。



すると右腕の辺りをツンツンと
人差し指で突いてきた。



「…名無しさんヌナ、何か怒ってる?」



その仕草があまりにも可愛くて
ついジンギ君を見てしまう。



視線を合わせると不安そうな表情で
首を傾げて私の顔を覗き込む。



あ〜もうっ、その顔には弱いのに。。。



『別に怒ってないけど…
何となくジンギ君にイジワルしてみたくなっただけ』



ほんとの事を言った私を
目を真ん丸にして見つめる事数秒。



「えぇーーーーー!?」



至極当たり前なリアクションで
訳が分からないという顔した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ