DREAM 恋海 ナギ
□始まり。
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お母さん、お父さん…
皆、、どこ?
始まり。
先日拾った妙な積み荷は何故か俺を世話係に選んだ。
部屋はそいつと共同で使わなきゃいけなくなるしその時はすげぇめんどくせぇもん押し付けられたと思った。
でもそいつは海賊船に好き好んで乗った訳でもなく、家族のいる故郷に戻る事もできないのに男だらけの中いつも笑顔でめい一杯働いている。
今ではシリウスにも馴染んできた。
共同部屋も慣れてきて、むしろあいつがいないと落ち着かないくらいだ。
寝返りをうってふとベッドを見ると肩を震わせるジュンが目に入った。
「お父さん…おかあさ…」
時々うなされてやがる。
最近は回数も減ったがやはり故郷に帰りたいのか。
起き上がりジュンの手を握ってやる。
いつも必死に握り返してきた後、落ち着いたようにまた深い眠りにつく。
「溜め込みすぎだバカ。」
涙が流れる目尻にそっと口つげる。
「…しょっぺぇ」
くしゃくしゃとジュンの頭を撫でて自分もまた再び眠りについた。