折原臨也

□あったかい日には
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「花見に行かない?」

「何ですか突然」

「それじゃあ今度の日曜日にね」

「臨也さん、わたしの話聞いてます?」





わたしと臨也さんは花見に行くことになりました。










「うーん、なんとも絶景だねえ」

「そうですね。日本の四季ってはっきりしててわたし好きですよ。イタリアにはありませんから」

「それじゃあ、帰ったらマンションの庭に桜の木でも植えてみる?」

「そんなことできるんですか?」

「ううん、無理」

「何でそんな無意味な嘘を…」

「この前の仕返し?」





PM1:00 都内某所のとある公園


わたしと臨也さんは桜の下に小さめのレジャーシートを敷いて花見を楽しんでいた。わたしと波江さんが作ったお弁当を食べながら。





「波江さんって料理上手いですよね。うらやましいです」

「あいつは仕事と料理ができるくらいだよ。あと弟に対する異常な執着心」

「それで十分じゃないですか。後者はちょっと同意しかねますけど」

「でも君だって料理くらいできるだろ?今日だって一緒に作ってたじゃないか」

「確かにそうなんですけど、わたしが作ったのはこのおにぎりくらいですよ。でもおにぎりって料理って言いませんよね?」

「いや、これも料理だよ。ご飯に具を入れて握る、これはつまり加工するって言うことだからおにぎりはれっきとした料理だよ」

「へぇ、そうなんですか?」

「多分ね」

「なんだ確証ないのか」

「それにしても絶景だねえ」

「そうですね」

「鬼ごっこでもしようか」

「え、鬼ごっこですか?何故急に」

「俺が鬼だからね。いーち」

「臨也さん、わたしの話聞いてます?」





子供たちがきゃっきゃっと遊ぶ中、いい年した大人しかもゴスロリ風の女が走る姿はとても浮いてるだろうと思ったが、わたしは形振り構わず全力で公園を駆け回った。たぶん捕まったら最後。
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