Kiss me please
□桜井琉夏
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『キス――ルカの場合』
夕暮れの帰り道を並んで歩く。
「今日は楽しかった!」
満足そうにアイツが笑う。
「本当?良かった」
その姿に俺も嬉しくなって、笑う。
そんな俺を見て、アイツは更に笑顔になる。
「あっ、ねえねえ。昔この公園でもよく遊んだよね?」
公園の側を通り掛かった時、アイツが不意に声を上げた。
「だな」
あの時はコウも一緒だったが、3人で泥だらけになりながら遊んだ。
「遊んじゃう?」
「いいの?」
懐かしそうに公園を眺める横顔に提案すると、パッと顔を輝かせて走り始める。