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□恋文シリーズ
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[雷光]








拝啓
お元気ですか。

なんて、毎日のように会っているのにこんな前置きは滑稽かな。

それにしても...手紙というのは不思議だね。

普段の何気ない会話に出てくるような話題もこうして文章にすると、ゆっくり一言一言言葉を選んでしまう。

日常交わされるやり取りと言うのが、本当はとても貴重なものということなのだろうね。

私にとっては…お前との時間はとても大切なものなのだから、それは当然かもしれないね。


毎日会うくらいでは本当は足りないんだ。

だって、お前を全部私のものにしたいこの欲求は、ずっと一緒に居るくらいでしか満たす方法がないからね。


お前が嬉しい時には一緒に笑っていたいし、

つらい時に慰めるのは私だけでありたい。

悲しい時には私の胸で、涙を隠してあげる。

お前の幸せが一秒でも長く続くよう、どんな努力もしてあげよう。


だからずっと私の隣においでよ。

こんな事を言うのは初めてかな。

口にするのは少し恥ずかしくて、ためらわれてしまうからね。


かといってメールでは伝わらないこのやわらかな感情、文ならと思ってつづってみたんだ。

綴じた封筒と一緒にちゃんと届くと良いけれど。


結局何を言いたかったかと言うとね、




大好きだよ。






清水雷光



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