『ニアイコール』
「ねぇ雪見、1と2と3、どれが良い?」
「4」
はぁぁうっぜえぇぇぇ!!と叫びたくなるような答えが返って来た。
ガキは嫌いだとかいつも言ってるくせに、どっからどう見てもひねたガキの返事でしかない。
今雪見の口から聞いたのはそんな言葉だ。
ムカついたので、1・レモンのキャンディ、2・緑茶のキャンディ、3・ババネロのキャンディ、手に握っていた全部を私は強引にジーパンのポケットに押し戻す。
「4は“死ね”っ!」
ふて腐れて雪見のみぞおちに右ストレートを入れようとしたら、手首を掴まれあっさりかわされた。
雪見はその腕を引っ張ると、今度は逆に雪見が私と同じ質問を問いかけて来る。
なんか顔が近い。
「AとBとC、どれがいい」
「D」
雪見の真似をしてそう言うと、そうかよ、そう笑って雪見は私をその場に押し倒した。
いきなり足を引っかけられてすっ転んだから心底びっくりしたけれど、勢いよく倒れたわりにはお尻も頭も痛くはなかった。
仰向けに倒れた私に、雪見が覆いかぶさってくる。
身に危険だけは感ても、何をしようとしているかは私にはよくわからない。
よくわからないけど突然キスをされて、なにやらそれが、雪見にとって始まりの合図だったようだった。
fin.
始まりの合図と同時に終るSS。ABCもわからないのにDまでするらしい。
(ヒント:D=読んで下さった方の妄想)