企画夢

□離れている時間が愛を育むの
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「桜…ッ…」

桜に締め付けられて、日吉は眉をひそめた。
それによって、自分の限界が近いことも、桜の限界が近いことも知った。

「わかぁ…あっ…あン…」

日吉に抱きつき、何とか我慢するが、もう駄目だ。
目の前に置かれた果てに、手を伸ばすしかない。
登り詰めていく快楽。
早く解放しろと、体がせめぎ合う。

「桜…もう…ッ…」

「だめっ!イクっ!…イっちゃうよぉー…」

律動を早めた次の瞬間、桜が限界を訴えた。
早く早くと快楽が急かせてきて、もう桜は我慢の限界。
波が、一気に大きくなっていく。
そして、桜は快楽の果てへと手をついた。

「っンあぁぁっ!あぁっ…あぁぁぁン…っ!」

「ッ…!」

二人同時に果てた。
快楽を解放し、絶頂を迎えた。
日吉に抱きついたまま、桜は息を乱す。
日吉も息を乱していて、二人の呼吸が重なり合う。
一つになった後に、再び一つになった気がして、何だか嬉しくてくすぐったい。

この次はいつか解らない。
いつこうして過ごせるか解らない。
だからこそ、会う度に体を重ねて確認する。
お互いが、どう想って、どれほど深く愛し合っているか…。

「桜…」

「若…」

「もう一回いいか…?」

「えっ!?…仕方ないなぁ…」

困ったような表情を浮かべるが、嬉しくて笑顔へと変わる。
何度でも、何度でも繰り返し感じたい。
好きな人だから、もっともっとと欲張りになる。
大切な人だから、もっともっと欲しくなる。

会えない日々が、愛を深める。
会えない日々が、絆を深める。
会えなかった分を取り戻すように、二人は愛を、体を重ねていく。

お互いに口づけを交わし、また愛する人に溺れていく―…





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