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□酔い覚めぬ夜に…
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たまには…



こんなのもいいかもな。





酔い覚めぬ夜に…





小さな宴会は、終盤に差し掛かっていた。
床に転がるグラスと瓶の数を見れば、すぐに理解出来る。
泡盛二本に焼酎五杯、そして日本酒は床に転がっている限りでは五本。一本は上機嫌で歌う桜の手元。
祝杯と称して交わした杯。ここまでなるとは誰も予測していないだろう。
酒に滅法強い高杉は酔う事もなく、酒を口に運び続ける。その時にチラリと確認するのはすでに出来上がっている桜の姿。
一人上機嫌で演歌を口ずさんでいた。
赤く上気した頬に、とろんとした瞳。焦点が合わない瞳で、桜は高杉を見た。

「ちょっとぉぉー…晋助ぇーあんたちゃんと飲んでるのぉー!?今日は祝杯なんだからパァーっといかないとぉー…」

不意に歌うのを止め、桜は四つん這いで高杉に近付く。
着物が着流しだからか、乱れているのか…合わせ着物から見えそうになる胸を気にする様子は全くない。

(こいつ…酒癖わりぃーな…)

再びお酒を口に運び、プハァーっと親父臭いリアクションをしている桜。そんな桜を見ていて、高杉はそう思った。
初めてみる桜の姿を珍しく思いながらも、つい眺める様に見てしまう。
酔っていても口調はしっかりしているから、さほど心配はないみたいだ。
それでも、やはり飲み過ぎだと感じた高杉は、持っていた酒を置いて、微かに身を乗り出した。

「おい桜…それくらいにしとけ」

「やっ!!もっと飲むぅー!!」

駄々をこね、高杉の言う事を聞かない桜。
呆れる様な溜息をつき、再び酒を豪快に瓶で飲む桜に視線を向けた。
瓶の酒を飲み干し、桜は軽くしゃっくりをすると、とろんとした瞳を高杉に向けた。
ぽけぇーとしているのか、それとも目を開けたまま眠ってしまったのか一行に動かない。焦点が定まっていない瞳は果たして自分を写しているのだろうか…。

「桜…?」

動かない桜に優しく呼び掛けてみた。しかし返事はない。その変わり行動はあった。
桜は長い腕を高杉に伸ばし、その腕を高杉の首に絡めた。
正気の時になど有り得ない桜の大胆な行動に、戸惑う所か不適な笑みを浮かべた高杉。

「なんだよ桜」

「ね…晋助…しよ?」

「そんなにしてぇーのかぃ?」

からかうような高杉の口調に、反射的にムッとなった桜。

「したいんだからしたいのッ!!」

剥きになって言い返した。
普段なら有り得ない桜の言葉。
赤くなった頬に濡れた瞳に乱れた着衣。それだけで、桜を組み敷くには充分な道具。その上桜からのお誘い。こんな上手い話に乗らない訳がない。
高杉は口元の笑みを保ったまま、桜の腰を自分に寄せ、深く唇を重ねた。

「ふぅ…ん…」

舌を絡めとられ、息をするのがやっと。少し開いた口の端から息を吸おうと試みるが、その隙間さえ、すぐに埋められてしまう。
何度も何度も角度を変えての激しい接吻(キス)。
高杉の着物を掴み、息苦しさを紛らわす。
唇を貧る様な乱暴で激しい接吻に、桜は次第に力を無くして行った。
すると不意に、体の半分だけに冷たい風が当たった。けれど、接吻から来る熱が体を支配し、冷たさは無くなった。

「あっ…ん…」

冷たい風が当たったのは着物を脱がせられたから。
親指で器用に胸の突起を潰すように転がしていく。
接吻で塞がれた口では、上手く喘ぐ事すらままならない。途切れ途切れに言葉を漏らすのみ。
胸の突起を弾かれる度に、体の中に快楽が電撃の様に走る。
お酒のせいなのか、いつもより敏感な反応を示している。
桜の腰を抱いている高杉は、桜の体の反応を直ぐさま察知。
そんな桜の反応を感じて楽しんでいるのか、弄んでいる手は動きを止めない。

「し…ん…息…出来な…い…」

「んなの知らねぇーなァ」

「んッ…ふ…」

快楽と同時に襲ってくるのは息苦しさ。
接吻を止めようとしない高杉に、桜はどうする事も出来ない。
空気を奪われ、力の入らない腕で、微かな力で、桜は高杉にしがみつくのみ。
酒のせいで思考が朦朧としてきた。
声を出したくても出せない。思い切り喘いだ方が楽なのに…。

「ふ…ぁ…」

桜の胸の突起を摘みながら、高杉は桜から唇を離した。
すると桜を見て、にやりと口角を上げると次の瞬間…

「わっ!!」

桜の真上には口元を笑みの形にしている高杉がいた。
酔っているからすぐに思案できない桜でも、押し倒されたのだと言うのは、時間が掛かったが理解できた。
接吻から解放され、桜は乱れた息を少しずつ整え、奪われていた空気を吸う。
しかし、すぐに高杉の接吻が襲ってくる。

「ん…あっ…」

今度は短いキスだった。
桜に優しく、深いキスをすると、すぐに唇を離し、そのまま首へと舌を這わせる。
桜の首を舐め、快楽を煽る。

「し……すけぇ…」

ねだる様な甘える様な桜の声を聞き、高杉は着物の裾を探る様に退かしながら、桜の秘部へと手を伸ばした。
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