PLAYBOY×PLAYGIRL
□Data03-case by-cho-taro.O-
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その表情。
その声。
厭らしくて、堪らないね…。
Data03
case by-cho-tarou.O-
「はぁ…暇だなぁ…」
青空を見上げながら、雅は小さい声で呟いた。流れていく雲を見ていたって、何にも楽しくない。暇潰しにも為りはしない。
今日は朝から、一通も誘いのメールが来ない。何度携帯を開いても、新着メールが表示される事はない。
「珍しい…」と思いながら、詰まらない授業をサボる為に屋上へとやって来た。誰かしらサボっているだろうな…と高を括っていたが、静かな屋上には人の気配はしなかった。
仕方なく壁に寄り掛かり、空を眺める。
だけど、空を見て感情的になったり、綺麗なんて思う程、雅は感情豊かじゃない。
そんな事で心が動くなんて有り得ない。空を眺めたって、「青いな」くらいしか思わない。
いや、それさえも思わない。
雅は、欲望に忠実で、厭らしい女。体を重ねる相手が欲しくなるだけ。体が、疼くばかり。
誰か来ないかなぁ…と入り口に視線を向けた瞬間、重たい扉が音を立てて動いた。
ギイィ‥
扉から顔を出した人物に、雅はにやりと口元に妖艶な笑みを浮かべながら、楽しそうに口を開く。
「テニス部員も、授業サボるのね。優等生集団かと思ってた」
「優等生集団だったら、"性隷"なんて在りませんよ」
然程驚いた様子もなく、屋上に現れた鳳は、あどけない、困った様な笑顔で返事を返した。
背は高いけど、気が弱そうな感じ。何処迄も優しそうな鳳に、雅は調子が狂ったのか妖艶な笑みを解いた。
(女が抱けるの?)
まだ子供。図体はでかくても、鳳からは跡部や忍足の様な色香を感じない。
あいつ等がおかしいだけなのか、鳳が普通なだけなのか…。
でも、そう思う反面、鳳の男の顔を知りたいと思った。
腐っても、テニス部員。もしかしたら、本性を隠しているだけなのかも知れない。
その化けの皮なんて、雅の前じゃ意味を為さない。
「雅先輩もサボりですか?」
「まぁね。あんたもでしょ」
「たまには、息抜きしないとですからね」
雅の隣に座り込み、鳳は笑顔で返す。その笑顔はやっぱりあどけなくて、雅は誘う様に鳳に近づく。
見た目は好青年。だけど、"性隷"が目の前にいる以上、好青年なんて保っちゃいられない。
「息抜きねぇ…」
見透かした様な、妖艶な表情を浮かべる。鳳だって男だ。見た目は子供だけど、ちゃんとした男。だから、女を知らない訳も、誘いに乗らない訳もない。
「あんた達の場合、息抜きってのはセ○クスでしょう?」
雅の言葉に、鳳は雅をじっと見た後、フッ‥と笑うと、あどけない少年から、大人の男へと表情を変えた。
獲物を狙う様な、狼の表情。鋭い視線に、ゾクッと寒気が走る。
「跡部先輩達に聞きました。雅先輩、凄くいいって」
雅に近付き、優しく髪を撫でる。
その手に男を感じて、雅は妖艶に笑う。
やっぱり、あのテニス部員だけはある。女を知らない処か、女の扱いに慣れまくっている。
「ここでするの?」
「雅先輩が嫌じゃなければ」
鳳の首に腕を回して、クスッと笑った。最高の暇つぶしが出来た。それが嬉しくて、欲望を止められない。
場所なんて関係ない。雅からしたら、気持ち良くなれればどこだって構わない。
誰かに見られるかも知れない。そんなの、リスクでも何でもない。ただの、興奮剤にしか過ぎない。
それに、ヤりたかったから、屋上を選んだんだ。
「嫌がる理由なんて、ないけど」
「さすが雅先輩」
そう言いながら、雅を抱き寄せて首に舌を這わせていく。
器用にワイシャツのボタンを外して、鎖骨を顕にする。綺麗な鎖骨に、鳳は息を呑んだ。
「雅先輩、体綺麗ですね」
「噛り付き甲斐があるでしょう?」
「確かに」
余計に興奮が増していく。
もう、止まらない。
ワイシャツのボタンを全て外し、前を肌蹴させる。
ブラジャーの上から乳首を擦り、甘噛みしてみる。
「ん…擽ったい…」
身を捩るも、まだまだ余裕。
そんなんで我を忘れる程、雅は素人じゃない。
「なら、こっちの方がいいですよね」
ブラジャーを捲り、豊満な胸を顕にする。すでに尖っている乳首に、鳳は舌を這わせる。
「あっ…ん…こっちの方がいい」
瞳を潤ませると、体が火照り始めて来た。
性感帯を刺激されて、喜ばない女なんていやしない。