-庭球-under story@
□確かな愛と幸せの形
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『誓います』
教会で永遠の愛を誓ってから、早一週間。
夫婦になりたての桜とジロー。
結婚して一週間は、二人の愛が燃える一方。
限りなく幸せ。
好きな人と、愛し合えて一緒になれて…。
これ以上幸せな事など、ありはしない。
確かな愛と幸せの形
「ふぅ…さっぱり………ってジロー?」
すっかり暖まって、桜がお風呂から出て来ると、いつもはリビングにいるはずのジローの姿が見当たらない。
いつもなら、一緒に入ると駄々を捏ねて、いじけているのだが…。
いつもと違う。
「ジロー?どこに…」
ジローを捜す為、もう寝たのかなぁ…と思いながら、寝室を覗いてみた。
寝室には、すやすやと寝息を立てて寝ているジローの姿。
先にお風呂に入っていた間に、眠くなってしまい、寝てしまったのだろう。
桜は、柔らかい笑みを浮かべながら、寝ているジローに歩み寄る。
「クス‥寝てる」
微笑みながら、ジローが寝ているベッドへと腰掛けた。
寝てしまっていてはつまらない。
しかし、すやすや寝ているのを、無理矢理起こすのも可哀相だ。
桜は、暫らくジローの寝顔を見ている事にした。もしかしたら起きるかもしれない、と言う期待を持ちながら…。
いつもの様に、気持ち良さそうに眠っている。
(起きないかなぁー…でもジローの寝顔可愛いからいいか)
ジローの寝顔を見ていると、何だか柔らかい気持ちになれる。安心もする。
それは、ジローだからか…。それとも好きな人だからか…。
桜の場合、両方当てはまる気がする。
桜は、つい癖で、ジローのふわふわの髪へと手を伸ばした。触った後で、はっ‥とするが、もう遅い。しかし、幸いな事にジローは目を覚まさなかった。
一安心し、また髪に触れる。
ついつい触ってしまうジローの髪の毛。金髪でふわふわしていて、触り心地がいい。だから、つい触りたくなってしまう。
(起きないなぁー…かなり深い眠りに就いちゃったのかぁ〜?)
いくら髪の毛に触っていても、一向に起きない。
ちょっとの刺激じゃ起きない位に、眠ってしまっているのだろうか…。
桜は触っている腕を引っ込めた。
そしてジローの寝顔を、見つめる。
「ジローの馬鹿…寝る時は一緒に寝ようって約束したのに…先に寝ちゃって」
寝る時は、絶対二人一緒に眠る。
新婚初日に約束したはずなのに、ジローはそれを守ってくれなかった。
その事が悔しくて、拗ねた表情を浮かべる。
一緒に寝たかったのに、ジローは先にすやすや寝息を立てている。
約束したのに…。
しかし、約束を破ったくらいじゃ、二人の仲は決して壊れない。
桜は、浅くため息を吐いてから、不意に目の前にある時計に視線を向けた。
――しかし。
ジローから視線を外した次の瞬間、後ろから伸びてきた腕によって、視界が変わった。
「きゃっ!」
気付いた時には、桜の上にはジローの満面の笑みがあった。
一瞬の出来事に、小さく悲鳴をあげるのが精一杯。
何が何だか理解に苦しむ。先程まで寝ていたジローが、自分の上で満面の笑みを浮かべている。
すっかり眠っていると思ってたジローの顔が真上にある。
いくら髪の毛に触れても起きなかったのに…。
「じ、ジロー?起きてたの?」
「うん。最初から起きてた。狸寝入りしてた」
いくら触っても起きなかったのに…。全ては嘘。
寝ていると思わせて、実は起きてました、と言う。そして今の状況。
桜はベッドに押し倒されている態勢。
今の状況に驚いた反面、嬉しくなってきた。
ジローは約束を破っていなかった。先に寝てなどいなかった。それが嬉しくて仕方ない。
「桜、約束破ってなんかないら安心してね」
「ジロー…」
「大好きだよ…。桜の結婚出来て幸せだСー!」
「私も幸せ…。大好き!」
「ねぇ桜」
「ん?」
「しよっか…?」
「うん…」
照れくさそうに微笑む桜。
ジローは一回、短く微笑んでから、桜に口付けを落とす。
愛と幸せを形づくる為に…。
* * *
二人とも、服を乱し、甘い時間に浸る。
体には、うっすらと汗が滲み出ていた。
桜の中に挿れた指を動かして、甘い声を漏れさせる。指は一本だけだが、桜のいい所を確実に刺激していく。
「あっ…あぁ…あっ…」
「桜のいいとこ…ココだよね。気持ちいい?」
「あっ…う…ん…あん…き…もち…あっ…いぃ」
喘ぎ声に邪魔されて、途切れ途切れに言葉にするのが精一杯。
瞳に涙を溜め、頬を上気させ、快楽を求める。
そんな桜の可愛らしい姿を見て、押さえられなくなって来たジロー。
早く桜と一つになりたい。感じたい。
そう思ったら、我慢出来なくなってしまった。
指の律動を止め、桜に問い掛ける。
「桜…早いかも知んないけど…いれていい?」
「うん…早く来て…」
桜の額に軽いキスを落とした。
まだお風呂に入ってないジローは、スーツのまま。