企画夢
□吹っ飛ばせ
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もう…
どうにでもなりやがれ…。
吹っ飛ばせ
「けぇ…ご…?今日…なんか変だよ…ッ…あぁっ…」
「大人しく抱かれてろ」
八つ当たりだって解っている。
彼女に当たるなんて最低だということも解っている。けれど、そんなこと考えられるほど、今の思考は正常なんかじゃない。寧ろ、欲望のままにしか動かない思考は、こんなことにしか動いてはくれない。
間違いなく、酒の力だ。
酒に酔ってこの有り様。
仕事で嫌なことがあった。
親父の会社で、働くようになってから、こんなにイラつくのは初めてだ。
しかもその上に、イラついた気持ちを酒で紛らわそうと飲んでいたら、最悪な野郎が来やがった。
「跡部やないか」
「チッ…」
「あからさまやなぁ…」
なんて言いながら、当然のように隣に座ってきた。そして、座った途端に自慢話が始まる。
「そや。落ち込んどる跡部に、うちの奥さんの話したろっ!」
「余計苛つく…」
こいつはこの間結婚したばかり。いわゆる新婚だ。だからなのか、自慢の奥様の話をすぐにしたがる。俺の彼女の方が断然可愛いけどな。
「うちの奥さんホンマにかわええんよぉ。この間なんてな…」
どうでもいい話を、軽く聞き流すことにした。
しかし、耳障りだ。
イライラなんて、こいつのおかげで募る一方だ。
次から次へとお酒を頼み、隣の奴の制御の言葉なんて丸ごと無視してやった。
「飲み過ぎやで?」
「うるせぇ…。てめぇに関係ねぇーだろ」
(どいつもこいつもウゼェ!)
イライラを、酒の力で消そうとしたが、どうやらただ飲み過ぎただけみたいだった。
それが、余計に苛つきを制御できなくしていた。
正気を、完璧に失っている。だから、自分のしていることが、どういうことなのか考えられなかった。
酔っ払って家に帰り、気がついたら彼女を…。桜を押し倒していたんだ。
桜は中学から付き合っていて、二人が成人したと同時に、同棲を始めた彼女。
陰ながら支えてくれた彼女にこんな仕打ち…。最低だな…。けど、もう我慢できない。
快楽に浸からない限り、この苛つきを消すなんて出来やしない。
もう、どうでもいい…。どうにでもなってしまえ。
「けぇご…もっ…やっあぁぁぁぁ!」
桜は、何度目かも解らない絶頂を浮かべた。
けど、まだ手放す気になんてなれない。
「指だけで何回もイクとはなぁ…。さすが桜だなぁ」
「もぉ…止め…て…」
涙目でんなこと言っても、無駄なことを…。
止められない。
もう、正常な思考なんて働いてねぇんだから、止められるわけがねぇ。
「お楽しみは…これからだぜ?」
そう桜に言うと、俺は口元に笑みを浮かべた。
まだまだだ。
足りない。こんなんじゃ、満足なんてできねぇ。
もう少しだけ、付き合ってもらうからなぁ…。桜。
* * *
「あぁっ…ん…はっ…あぁぁ…そんな…激しく…しないでよぉー…」
何度も絶頂を迎えた桜は、快楽に敏感になっている。
最奥を突くと、すぐに締め付けてくる。
「激しいの好きだろう?ほら」
「あぁぁぁっ…そん…なに…したら…イっちゃうよぉ!」
「イけよ」
桜にそう言い放つと、桜は痙攣を始めた。
秘部が、ヒクついているのがはっきりと解る。
そして、桜は体をのけぞらせた。
「あぁぁぁぁ─!!」
快楽を解放する時の声は、高くて妖艶で、そそるものがある。
達したんだと、すぐに判断できる。
ぐたりとなっている桜。
けど、今の俺にはそんなこと考えてる暇なんてない。
「まだまだだぜ…?俺まだイってねぇからよぉ」
「えっ…」
桜の足を思い切り広げて、再び自身を動かした。
桜が限界なのは解っている。
けれど、もう止められない。
もう少し。もう少しで…。
「やぁぁ!…もっ…無理…なのぉ…んあぁっ…」
「締め付け…最高だなぁ」
桜の最奥まで届くように、激しく突いていく。
絶頂を迎えた後の桜は、すぐに締め付けてくる。
だから、余計に気持ちがよくて、動きを止めるなんてことは不可能だ。
「あぁぁっ…もっ…ダメっ…」
「イク…ぞ…ッ!」
「あぁ…んあぁ…あぁぁぁ─!」
お互いに、同時に絶頂を迎えた。そして、桜はそのまま意識を手放した。