頂き&捧げ小説☆
□love sweet
2ページ/11ページ
当時は、神の眼が盗まれ、その行方を追っていた最中だった。
ノイシュタットに立ち寄ったのも、その主犯格の部下を捕らえ、その尋問の為でもあった。
だから、観光する暇も無ければ、遊ぶ暇さえも無かったのだ。
だが、リオン以外の人は自由にしていた為、少しは楽しめた様でもあった。
――――そんな青年も、その楽しめた一人に入る。
「スタン、そんな顔をして、そんな事を言うな。何の為に此処に来たのか分からなくなるじゃないか。」
リオンは、金の青年・スタンの長い髪を一房手に取ると、優しく弄りながら、そう告げた。
そして、最後はその手にした髪にキスをする。
「うん…そうだね…////」
そんなリオンの流れる様な綺麗な動作に、恥ずかしさを感じながら、柔らかく笑った。
「今日、此処に来たのも、あの時、楽しめなかったリオンの為でもあるしな。」
「そう言う事だ。其れに、言い出しっぺはお前だぞ。そのお前が、一々落ち込んでいては話にならないだろう?」
リオンは、そう言いながら、今度はスタンの頬を優しく撫でる。
「分かったよっ!////もう、ほらっ、行くよっ!////」