紅キ桜、紫ノ桜

□トリーップ
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春ーーー

今日は族の幹部達と山まで走りに来た

自然の空気と景色を久々に見たかったからだ

山は桜の木で埋め尽くされストレスなんかも殆どぶっ飛んだ

機嫌が良くなってずっとニコニコしてたら赤髪バカに不気味だって言われたから殴ってやった

ホントの今日の目的は族の溜まり場に引っ越すから家から荷物を持ってきたついでに時間が余ったから

山に行っておいしい空気と景色を見に来たってわけだ

桜に心を奪われ見惚れていると

「それにしてもホント桜って綺麗だよなぁー」

いけね、気持ちが口にでてしまった

「なんだよ、いきなり」

ちっ、赤髪のバカに言われちまったぜ

「桜って人を引きつける力があるよな、絶対」

「お前もそうだろーが、現にたくさんの奴等がお前んとこに集まってきてるじゃねぇか」

俺は"引きつける力"なんかじゃない、もっと違うあり得ねぇ力だ

「そんなんとは違うだろ、俺んトコに来るのは只単に暴走族に入りたいからだろ」

あ、今日山来てから初めて蘭髪が喋った

「そんなコトないと思うよ、あいつ等は漆黒に憧れて入ったりしてるんだから」

憧れ・・・ねぇー

俺の何処に憧れんだか
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