紅キ桜、紫ノ桜

□新選組
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廊下を歩いている途中漆黒は考えていた

あいつ等にはわざと男みたいな口調で話そう

あとー、冷たい態度で接するってとこかな

でも服がなぁー、肌露出しすぎだよね

もっと肩限界までだそう、うん

スカートも限界まで短くするか

スカートを折りながらまた考えていた

もういざって時は色気で何とかしよ

いやだって俺いつも私服こんくらいだしな

なんて考えているうちに目的の部屋についたようだ

井上さんが襖をゆっくりと開け部屋に入って行くと

「おはよう、昨日はよく眠れた?」

あ、昨日の沖田とかいうムカつく奴だ

「みたいだね、顔に畳のあとが付いてるよ」

「千鶴無視しな、さっき一緒に鏡見たけど畳のあとなんかなかっただろ」

「あ!そうだよね」

千鶴にコッソリ耳打ちすると千鶴は

「嘘をつかないでください、私は今朝鏡見ましたもん」

ふぅーん、やるじゃん

「へぇー、そっかぁ、つまんないな」

「総司からかうのもいい加減にしろ」

あ、斎藤だ

「お前ら無駄口ばっか叩いてんじゃねぇよ」

「はぁーい」

「で?そいつが目撃者?」

おぉ、危ない、危ない俺は見つかってないみたいだな、実は千鶴の後ろに隠れていたのだ

あれ?あんな奴いたんだ、はっガキだな

「ちっちゃいし、細っこいなぁ、まだガキじゃん、ソイツ」

「お前がガキとか言うなよ、平助

「だな、世間様から見りゃ、お前も似たようなもんだろうがよ」

ふーん、こんな奴らもいんだ

あの辺なら色気でいけそうだな

「あれれ、もう一人の人は?」

ちっ、沖田め!余計なコトいいやがって、分かってるくせに、こっち向いてニヤニヤしてるし!ホントムカつくな

「おい、お前、いい加減隠れてないで出てこい」

うわ、土方うざっ、また上から目線かよ

「ちっ、はいはい、分かったよ」

千鶴の隣にゆっくり出ていき前を向くと・・・

昨日居た沖田、土方、斎藤も少し目を見開いている、それ以外は口を開けたまんま放心状態だが

「あぁ?なんだよ?俺のカッコに文句あんのか?」

口調を悪くして言えば

「あ!え、その、ちょっとびっくりしてだな」

さっきの緑のバンダナみたいなのを頭に巻いてるやつが慌てて言ってきた

「ならいい」

「お前・・。女だよな?」

「その話はまとめて後ほど話すよ」

満面の笑顔で言えば多くの奴らが顔を赤くしていた

なんでだよ?意味分からん

そんなことを思う鈍感な漆黒だった
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