紅キ桜、紫ノ桜
□晩御飯
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あれから何日が過ぎた時事件は起きた
=文久四年一月=
あの日から俺は着物で過ごそうとしていた
が、着物は一着しかなかった為、毎日同じ着物を着るのが嫌だった、だってさー、毎日同じ服着てたら嫌じゃね?
それに千鶴に洗濯してもらうのもアレだったから
俺が持っている着物は一回だけしか着た事が無かった族で使った着物があった
誕生日ん時に族の皆が俺にくれたやつだ
特別に金かけて作ってもらったかなり高貴な着物だ
まぁ金は腐るほどあったからな
その着物は蒼紫に背中にでかい黒龍が描いてあって、そこに桜の花びらが黒龍に舞落ちるようになっている
前も後ろとは桜の数が多い
薄いピンク、ピンクの桜が散りばめられている
この着物は俺の宝物だ
帯は薄紫のふわふわした帯だ
固い生地じゃないやつだ
着物の丈は太ももの半分くらいだ、だからこの前はいていたスカートよりも短い
まぁ俺短いのしかはかないからな、それにしても短すぎる、あいつ等何考えてたんだか・・・
それより!毎日着るとなると確実に汚れだろうし・・・。
だからこんど買いに行くことにした
もちろん誰かから貰って
でもまだ外出できない
なんか部屋から必要な時以外でるなって言われてんだよねー・・・歳が大阪から帰って来るまで
意味分かんねぇし
浅葱の袴はカッコイイ!早く着てみたいと思った
それに千鶴は・・・・
数日前のコト
=回想=
数日前俺らの部屋に歳と山南さんと総司が来た
そして千鶴の事について
「お前の身柄は新選組預かりだ、が、女として新選組に置くわけにはいかねぇ、だからお前には男装を続けてもらう、いいか?」
「はい、」
「例え君にその気がなくても女性の存在は隊内の風紀を乱しかねませんしね」
「じゃあ漆黒ちゃんは?」
「はぁー、その事なんだがコイツはもう男装しきれないと判断して仕方なく女として置く事になった」
「まぁ漆黒ちゃんなら隊内の士気が上がるしね、皆に忠告はしといたから大丈夫だと思うよ」
まぁ俺男装は趣味じゃねぇな
「髪の毛の長さといい顔といい、もうすでにコイツは手遅れだ」
「は?それどういう意味だよ、髪はイイとして、顔だって?あー、そう不細工って言いたいんだろ、いいし見てろよ、バカ歳」
「うるせぇな!勝手な勘違いしてんじゃねぇよ」
「そろそろ話をもどしますよ」
「あぁ、すまねぇ、雪村、お前は何もしなくていい」
「えっ?」
「部屋を一つやるから引きこもってろ」
「あれっ?この子誰かさんのお小姓になるんじゃなかったんですか?」
「バカッ!少し黙ってろ総司、ゴホンッ、それから・・・」
カチャリ
「あっ!」
歳が笑顔で差しだしたのは小太刀だ
「大切なモノなんだろ?男子たるもの何もさげずうろつく訳にはいかねぇからな」
あの小太刀どっかで見た事ある気がする・・・。確か本かなんかで・・・。
「っ!ありがとうございます!」
大切そうに小太刀を握る千鶴にホントに大事なものだと悟れた
=回想終了=