紅キ桜、紫ノ桜
□池田屋事件
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「大したお手柄ですね、桝屋に運び込まれた武器、弾薬を押収し、長州間者の元締め古高俊太郎を捕えてくるとは」
「ッフ、ホーントついてましたよね」
「笑いごとではありません、桝屋の主人が長州の間者という情報を得て、泳がせていたんじゃありませんか」
「島田君や山崎君に悪いとは思わないわけ?」
イライラ
「我々の事なら気にしないでください」
「桝屋の監視を続けてきたものの、手詰まり状態でしたから、彼女達が動いてくれたおかげで、古高を抑える事ができたんです」
「それは結果論です」
「お前等は首相だねぇー、それに引き換え総司は・・」
ブチッ
「おいおい、さっきから聞いてりゃ総司の悪口バッカ言ってんじゃねぇよ、今回の件については全て俺の責任なんだよ」
「どういう事だ?」
「俺が・・・」
「私が悪かったんです!父を見かけたという話を聞いて、あと先考えず店に行ったから」
「君の監督不行き届きは沖田君の責任です」
「千鶴も総司も悪くないんだ!山南さん!俺が、いけなかったんだ・・・すいませんでした」
「・・・・・・・・。ですが漆黒君」
「待て、その責任は俺にもある、こいつ等ばっかり攻めないでやってくれ」
「土方さん、古高は何か吐いたか?」
「風の強い日に京の町に火を放ち、その気に乗じて長州へ連れだす」
「京の町に火を!?」
あ?京に火放つの?え?バカなの?え?
「町に火を話すなんざぁ、長州の奴ら、頭のネジがゆるんでんじゃねぇのか?」
うん、俺も思った
「古高が捕獲された事で奴等は焦ってる、今夜にも会合を開いて善後策を応じるはずだ」
「長州が会合を持つ場所は?」
「これまでの動きを見て四国屋あるいは、池田屋のいずれかと思われます」
「歳、隊士たちを集めろ」
「おう」
全然訳わからん
「動ける隊士はこれだけか?」
「申し訳ありません、怪我さえしていなければ私も・・」
「いやぁ、山南君には留守をしっかり守ってもらわなくては」
「こんな時あいつ等が使えればよかったんだがな」
俺はそれを聞いた瞬間、千鶴の耳をふさいだ
「しばらく実戦から遠ざけるらしい」
「近藤さん、出発しよう」
ゆっくりと千鶴の耳から手を外す
千鶴は一体何だという顔をしている
「千鶴は聞かない方が良かった話だ」
「う、うん」
「だが、まだ本命が四国屋か池田屋か分からんぞ」
「奴等は池田屋を頻繁に使っていた様です、まさか古高が捕獲された夜に同じ場所を使うとは考えにくいですね、ココは四国屋を本命と見るのが妥当でしょう」
それはどうかな?
「しかし、池田屋の可能性も捨てきまい」
「よし、隊を二手に分けよう、四国屋へは俺が行く」
「ならば歳、二十四名連れていけ」
「近藤さんが十名で行くのか!?それは無茶だ」
「あぁ、その代わり、総司、永倉、平助、漆黒ちゃんを連れていく」
「分かった!」
やった!俺も勇とだ!
「コッチが本命だった時は、頼むぞ」
「おうっ」
歳は勇の言葉にしっかりとうなずく
そうココから運命は大きく変わりだす