紅キ桜、紫ノ桜

□禁門の変
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=元治元年七月=

こんな蒸し暑い中広間に集められた

「会津藩より、正式な要請が下った、長州制圧の為出陣せよ、とだ」

マジかぁ!

「「わぁぁぁあーー!」」

「そいつはすげぇな」

左之も嬉しそうだ

「会津藩は我々の働きを、認めてくださったのだ」

「よっしゃぁ!新選組の晴れ舞台だぁ!」

平助は留守番だろ

「なーに言ってやがる、平助、お前はまだ傷が治ってないんだから、留守番だろ」

「えぇぇぇぇぇ!?そんなぁ!」

「まっ、怪我人は大人しくココで待機すべきじゃないかな?」

うんうん

「そういう沖田君もですよ、不服でしょうが私もご一緒しますので」


「「はぁー」」

息ぴったりだな、おい

「雪村君、君も一緒に行ってくれるか?」

「えっ?」

「千鶴を?」

「戦場に出てくれというわけではない、伝令や負傷者の手当てなど、今は一人でも人手がほしい」

「無理にとは言わん、行くか、行かないか自分で決めろ」

千鶴がコッチを見てきた

軽く頷くと

「私でも何かのお役に立てるなら、行きます!」

「うんっ」

「千鶴、俺達の分もしっかり働いて来いよっ」

拳をつくって

「うん!頑張るね!」

「遊びに行くわけではありませんよ、くれぐれも皆の足を引っ張らないように」

確かにそうだけど、いい方がきつい

「あっ、はい・・」

ダンッ

「よっしゃぁあ!イッチョやったろうぜぇぇ!」

「おぉぉぉぉぉお!!」

「漆黒さん!俺の活躍見ててくださいね!」

「漆黒さん!俺も、俺も!」

「漆黒さん、一緒に頑張りましょうね!」

など、沢山の隊士が声をかけてくれた、俺も嬉しくなって、大きい声で

「うん!皆ぁ!新選組の活躍ぶりを見せつけてやろうぜぇぇぇ!!」

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」

さっきよりも大きな新選組の声が部屋中に響き渡った

「さすがだな」

そんな誰かの声もかき消されてしまうほどだった

=元治元年七月=

薄ピンクの布にサルスベリの花が描いてあるサラシを巻き

薄水色の着物と羽織を着て

緑のクローバーの少し小さめなイヤリングをつけ

髪型は後ろでお団子にした、うん動きやすいな

部屋を出た

「我等新選組は京都守護職の命により、出陣する!」

「おぉおぉおぉおぉ!!」

これが後に禁門の変と呼ばれる、京の都中を巻き込む、激しい戦いの始まりだった
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