紅キ桜、紫ノ桜

□あれから
1ページ/2ページ

=あれから漆黒は=

平助と別れてからしばらくして

道を歩いていたら知らない女に捕まった

『こんなところで何してるの!あなたっ』

『この通りですけど?たった今居場所を失くしました』

『この通りって!居場所がないの!?・・なら家に来なさい』

『!いいんですか?こんな奴』

『えぇ、その代わり、家のお店で働いてほしいの』

『店?なんの仕事です?』

『・・遊女よ』

『・・・・。いいですよ』

『そう!ありがと!店は島原にあるの!!今一番人気なお店よ!!』

『そうなんですか』

『あなたはすぐに人気者になれそうね』

『?』

『私は舞華、あなたは?』

『俺は・・漆黒です』

『漆黒!これから宜しくね!』

というわけで、今、島原にある店で働いているところだ

あの人お人よしにもほどがあるよな

なんか「どす」とかなんとかって本当はつけなきゃいけないらしいけど

俺は使わなくていいって言われた

ほかのお姉さんにも色々教わった

なんか肌の露出がかなりある

胸なんてもう駄目だ

ほぼ出てる、着物が大きい為、俺用のサイズが無かったから、仕方なくこれだ

毎回、毎回、襲われそうになるからいやだ

でも、居場所が無い俺にはこうするしかなかったんだ

もう俺の居場所はココだけだ

存在理由は消えた

いつ死んでも汚れても別にかまわない

既に汚れているから

俺の本当の過去など誰も知ることはない
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ