紅キ桜、紫ノ桜
□新選組
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沈黙が続く中沈黙を破ったのは、眼鏡をかけた人だった
「皆さん、本題に入りましょう、まぁ、そこを閉めてお座りなさい」
「はい」
うわっ、いつも笑ってる奴ってぜってぇー裏あんだよな
千鶴が襖を閉めて座ったから俺もその隣に座ろうとした
けど輪から微妙に外れている、バカそうな三人組がこっちに来いというので
バカそうな三人の近くに少しだけ行って千鶴も近くに来させた
だけどさっきとほとんど変わらない距離だ
だって土方にらんでるしよ
三人も気付いたようでこっちに微笑んで前を向いた
「ゴホンッ、俺は新選組局長近藤勇、こちらの山南君が総長、こっちの歳、いや土方歳三は副長を務m」
へぇーなるほどね
「近藤さん!なんで色々教えてやってんだよ、あんた」
「うっ、まずいのか?」
「これから詮議する相手に自己紹介は無いんじゃねぇの?」
「まっ、そう言うクソ真面目なとこが近藤さんらしいちゃ、らしいんだがな」
あらら、かわいそうに、でも俺近藤さん結構好きかも、お父さんみたいで
「ゴホンッ、さて本題に入ろう、まずは改めて昨晩の話を聞かせてくれるか斎藤」
「昨夜失敗した隊士らがしちゅうで不定浪士と遭遇、斬り合いとなりましたが我々が処理しました」
漆黒は斎藤の言葉に反応した
あれ?失敗した隊士って白髪の奴だよな
俺が斬ったけどそれは伏せてんのか?
いや、おかしい、いくらなんでも顔を潰したくないからと言って幹部たちが居るトコで嘘を吐いても意味が無いはず
という事は、はめようとしてんのか
「そのおりこの者たちに目撃されました」
「私何も見てません!」
千鶴はなんでこうも必死になるのだろうか
俺は別に死んだって構わない、生きたい理由なんてねぇしな
「本当に?」
キッパリと言う千鶴に確か・・平助だっけが疑うように問い詰める
「見てません!」
「ならいいけどさ」
「あれ?総司の話じゃお前が隊士どもを助けたって聞いたけど・・・」
漆黒は千鶴がはめられそうになっているのに気付いた
だがあえて助けてあげなかった
「違いますっ!私はただ見ていただけで助けてくれたのは漆黒ちゃんなんです!そこに新選組の人たちが来て・・・。はっ!!」
「今頃気付いたってもう遅いぜ」
「オマエ根が素直なんだろうな、それ自体は悪い事じゃないんだが」
「ハハハッ千鶴は素直すぎだろ」
「ごっ、ごめん!漆黒ちゃん!」
「いいって、いいって、嘘ついてもいい事ないしな」