紅キ桜、紫ノ桜
□信じてくれるか?
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「で、お次はこっちだね」
「あぁ、オマエどこの人間だ、素性をすべて吐け」
次は俺か、まぁ信じてくれるかわかんねぇけど言ってみる価値はありそうだ
「はいはい、俺の名前は神風漆黒150年後の未来から来ました」
「未来だと!?」
「ふざけた事をぬかすな」
「あぁ?もう否定かよ、少しは人の話聞けよな」
「・・・・・・・・・。」
「続けろ」
少しだけうなずき
「俺は未来で事故ったんだ、あの俺が持ってた変な機械みたいなのはバイクってんだ」
「ばいく?」
「あぁ、それはお前らが乗る馬のように俺もバイクに乗って族の皆と山に桜を見に行ったんだ、その帰りにボーっとしててネコが道に飛び出してきたのにも分かんなくて、ぎりぎり避けたんだけど、崖からバイクごと落ちた、それで声がしたから言ってみたら、新選組の隊士がいたんだよ」
「おい、族って何だ?」
「族はバイクに乗って暴走したりすることだよ、で、俺はその総長だ」
「・・・・・・。」
「総長ってお前が一番偉いってことか?」
「まぁ、そんな感じだな」
「次にこの服、これは向こうじゃ当たり前の服装なんだよ」
「・・・・・・・・・・・。」
「それで俺のこの髪、これは染めたんだ、」
髪の毛を縛っていたゴムとシュシュをはずすと、長い髪がふわりと垂れた
こっち見すぎだろ、なんで全員こっち見てんだよ、なんか恥ずかしいな
「そんなモノが未来にはあんのか?」
「あぁ」
ハハハッ頑張って理解しようとしてるよ
「分かったか?どう?信じてくれるのか?証拠は山ほどあるが」
「分かった、俺は信じよう!」
マジで・・?このひとホントに優しいな
「俺も局長の意見に賛成です、彼女は嘘をついているような眼をしていません、真っ直ぐとこちらを見つめてくる彼女を信じてもいいと思います」
嘘なんてきたねぇもんつくかよ
「・・・・。分かった、お前のコト信じよう」
さっきまで俯いていた漆黒が土方のその声を聞いた瞬間
「ホントに!?ありがとっ!!」
無邪気に笑う漆黒に可愛いと思ってしまう幹部たちでした
「カッコいい、美人てのが印象だったけど可愛いとこもあんだな」
佐之のつぶやきに一部の人がうなずいた
「ん?何が??」
鈍感すぎる漆黒に
「いや、なんでもねぇ」
怪しい笑みを幹部たちは浮かべるのであった
「ふーん、ならいいけど、で、全部ホントのコト話したけど処分は?」
「・・・お前は新選組で隊士として働いてもらう、どうせ行くとこねぇんだろ?」
そんな言葉に漆黒は少なからず救われた
「っ!ありがと!!!」
「ふんっ、コキ使ってやるから覚悟しろよ」
「ハハッ、ホントに土方さんは素直じゃないんだから」