紅キ桜、紫ノ桜

□再開そして取り戻したもの
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着物が動きづらいっ!

だけど走った、襖を思いっきり開けて

走った、走った、どこまでも走り続けた

止まったら全てが変わってしまう気がして

あそこにいてはいけない、俺が居ていい場所じゃない

走り続けると風に当たれる部屋があった

そこに瞬時に入り勢い良く襖を閉め息を正す

「はぁ、はぁ、はぁ」

沢山足音が聞こえてくる、追いかけてきているだろう

いいのかな?戻って、実際俺は戻りたいと思う、だけど、いいのだろうか?

俺は殺気を向けられた、でも、もう一度だけ信じたいと思う

「ハッ!」

いけない、なんて甘いコト考えてるんだ俺は

今まで俺は場所を転々としてきたじゃねぇか

これくらい慣れてる筈なのに

大切な者が出来過ぎてしまったか・・?

騙されるな、甘い言葉に、俺がいていいのは俺を受け入れてくれる人

全てを暖かく包み込んでくれる人

そんな事を考えていると襖が勢いよく開いた

「っ!?」

そこに立っていたのは息を切らした総司だった

「はぁ、みぃーつけた、僕の可愛いお姫様・・・」

そう言って襖を閉め総司は近づいて来る

な、なんで!?なんでココが分かった!?

来るな、やめろ、俺に近づくな

「嫌、嫌っ!来るなっ!」

そう叫んでも近づいて来る総司

やめろ、やめろぉぉぉお!

俺の、俺をこれ以上揺るがさないでくれ!

「なんでっ!なんでっ!?来るんじゃねぇよっ!」

ついに俺の目の前まで来て止まった

はぁー

落ちつけ、俺

冷静に総司から逃げなければ

甘い言葉に揺らいではいけない

俺の居場所は壊れ、砕け、粉々になったんだ

俺を受け入れてくれる人が、人が

「なんで、俺を追いかけてきたんだよ!?」

「それはね・・・。」

ギュッ

「いやっ・・・」

「漆黒、僕は君が居ないとダメなんだ」

「・・・。そんなの知らない、俺は捨てられたんだ」

消えろ、消えろ

「捨ててないよ、殺気を出してしまった事はごめんね、僕は誤解をしてたんだ君の事を、許してほしいんだ」

許してほしいだと、ふざけるな・・!

「分かった、許してあげる、だから、もう離れて」

「嫌だ、絶対に離さない」

「はぁー、・・・ねぇ、俺さ、ホントは新選組に戻りたいんだ」

なっ!今俺はなんて事を!

「えっ!?じゃあっ・・」

やめろ、やめろ、やめろ、やめろ、口が止まらない、俺の意思で動いてくれない

口が勝手に、動くっ

「でも、また裏切られたら、もう、立ち直れないっ!」

「・・・大丈夫だよ、もう、みんな裏切られないよ」

裏切る、裏切る、信じるな、信じるな

「そうか・・・?」

「うん、だから戻ってきてくれる?」

「・・・皆、また迎えてくれだろうか・・・」

なんで!違う、これは俺の本心じゃない!

口が・・

「大丈夫だって、ね?行こ?」

「おぅ・・・、頑張るな、総司ありがとっ」

そんな簡単に許すなぁぁぁあああああああ!

俺は一体誰だ、俺じゃない、誰だ、俺なのか・・?

これが、俺の本当の本心?

なら、なら、もう一度だけ、いいだろうか・・

上目遣いで総司を見て、微笑むと

「漆黒、僕、もう我慢できない」

そう言うと俺を押し倒し

口付をしてきた

「んんんっ、んっ」

「はぁー、そんな色気出してさー、我慢できる奴が居たら見てみたいね」

ふぁ、はぁ

「総司っ、ちょっと、皆のトコ行くんじゃなかったの?んっ」

「だーめっもう少し待って」

そう言って口の中に上手く舌を忍び込ませる

絡まる舌に嫌な音が響く

「はぁ、んんんっ、んっ、んっ」

「っ、」

総司が俺の胸に手を入れようと触れる寸前に

「漆黒!!ココかっ!?」

一・・・・、助かったぁー

「ちょっと、一君、邪魔しないでくれる?」

俺の口から離れる一本の銀の糸が

「っ!総司、あんたって人は・・・!」

「漆黒、皆の所へ行くぞ」

一が俺の腕を掴む

パシッ

「一君、僕のお姫様に手を出さないでくれるかな?」

「アンタのお姫様だと?漆黒は俺の女だ」

「いいや、僕のだね」

「違う、俺だ」

漆黒はそーっとその部屋から出て行った

皆が居た部屋に行く途中、歳に会った

「あ、えっと、、、」

「漆黒っ!良かったぜ・・。もうどこにも行かないでくれ、お前が居ないと、俺はっ」

歳・・

「うん、もうどこにも行かないよ」

「っ!ありがとな、これからは俺がお前を命がけで守ってやる」

命がけで・・?

そう言って頬に手を添え

触れるだけのキスをした

なんで俺ってこういう時逃げられないんだろ

なんか近づかれたら体が思うように動かなくなる

だから今まで何度も・・・

そんな事を考えていると部屋に着いた
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