殺し屋連載夢

□変わるもの、変わらないもの
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「でかっ…東京ドーム何個分ですかコノヤロー。」

ツナさんの屋敷を前にして、立ち尽くす。

私の六畳一間を見せてやりたいわ!!

「まぁ、今日から名無しさんもここで暮らすんだから。」

「……え。」


――――ドドドドドッ!!!!


「じゅうだいめえぇぇぇぇ!!!」

何メートルも奥の屋敷玄関から砂埃をあげて走ってきたのは…


「…獄寺。」

「名無しさん名無しさん!?なんでお前、こんなところに…!」


君のボスに社会的に抹殺されました。


「やだなぁ、俺はこの不景気の中、就職先を提案してあげただけだよ、ね?」

「ツナさん、心を読まないでください。」

あのピュアな青少年、沢田綱吉はどこへ行った。

獄寺は相変わらずの美男子っぷり。
ただ、そのご尊顔も今は私を見て歪められているが。


「十代目、こいつはどうするおつもりですか?」

いかにもいやな予感がする、という目。

私もだよ!!


「ここのメイドとして働いてもらうよ。


………異論はないね?(黒笑)」



「「………はい(泣)」」


私たちのやりとりをずっと黙って見ていたリボーンさんが、くつくつとのどで笑う。


「んじゃ、屋敷行くぞ。」



屋敷に入ると、中も超広かった。


「あれっ、名無しさんだ。
久しぶりなのな!」

なんにでもナチュラルに対応できてしまう山本武。

いや、ここマフィアの屋敷なんだよね!?

同窓会式場で会いました、みたいな反応でいいのか!?


「それで、こっちがランボ。
別のファミリーにも入ってるから、ここにくることはあんまねぇな。」

リボーンさんが紹介してくれたのは、なんか色っぽい男の子。

牛柄のシャツ、今イタリアで流行ってたりするの?

「お会いできて光栄です。」


―――ちゅっ

ててて手の甲にキスされた!!!!


その瞬間、


――――ガチャッ!!

その場にいた私以外の全員が銃をランボに向ける。


「名無しさんに手出したら殺すから。」

「まぁ、しょうがねぇのな。」

なんか、ツナさんはともかく山本さんまで黒いです。


激しく実家に帰りたいです。

「やれやれ…ボスのご要望通り、名無しさんさんの部屋や制服などは一通り揃えておき
ましたよ。」

これ以上やっかいごとに巻き込まれるのはごめんだ、と肩をすくめて屋敷を出て行った。


「名無しさん、じゃあ取り敢えず制服に着替えようか。
二階の右手、一番奥が君の部屋だから。」

ここではツナくんがボスなのだから、しかたがない。
ため息をついてやたらと広いレッドカーペットの映える階段を上った。

(ははっ、名無しさん綺麗になったのな。)

(そんなの俺が一番よくわかってるよ。)

(じゅ、十代目ぇぇ……)

という会話は私の耳に届くことなく。

 
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