【CLANNAD】長編小説

□春、それは始まりの季節
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俺は春が嫌いだ…


花粉症だからとかそんなくだらない理由ではないが…


春が嫌いだ…










史永「…だぁ〜!うぜぇ!」


高校三年の春。この『光坂高校』に在学し、不良と蔑まれている少年がいた。
彼の名前は『山内 史永』


彼は今朝から憂鬱であった。三年生になったことで史永の大嫌いな上級生はいなくなり、今まで以上に好き放題出来ると思っていた矢先の生徒指導。


その所為で、一週間に渡り早朝から校門の清掃を言い渡されてしまい、史永の一番幸せな時間である睡眠時間が削られてしまったのだ。
これを不機嫌と言わずしてどう言えばいいのだろう。


史永「クソッ、何で俺が、俺だけが校門の掃除なんか…レレレのオッサンじゃねえんだぞ。第一に朋也とバカ原は何で指導すら無しなんだよ、何だか納得いかねぇ」


ぶつぶつと悪態を吐くが事態が好転するわけもなく、俺の機嫌も一向に良くならない。ちなみに朋也とバカ原とは、フルネームを『岡崎(おかざき) 朋也(ともや)』と『春原(すのはら) 陽平(ようへい)』と言い、俺のクラスメイトであり同じ不良のカテゴリーに属されている。


とは言っても、二人とも煙草も吸わなければ酒も飲まない。少しのすれ違いや毎度の遅刻が原因であろう。 


時刻は午前六時。この時間帯に、悠が毎回利用する通学路に人影は疎らで、自らの身なりが余計に目立ってしまう



 
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