TOG‐テイルズオブグレイセス‐

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ラントに戻ると、フェンデル兵と数少ないラントの兵が闘っていた。
中には、傷ついて倒れてしまった味方の兵と敵の兵がいた。



シェリアは急いで味方の兵を治療しに向かった。



アスベルとルマとソフィは、戦闘に参加しようとした。






―――その時。















旧東ラント道の方から、ある軍隊が現れた。
フェンデル兵を続々と倒していく。









青い旗…。



『あれは…ストラタ?』




「ストラタの軍勢がなぜ…。あれは…?!」




アスベルは、ストラタの軍勢の戦闘にたつ、青いベリーショートカットの眼鏡を掛けた青年を見て、あんぐりしていた。




「ヒュー…バート?」




ヒューバートと呼ばれる青年は、ストラタの軍勢に命令を出した。


「全軍勢につぐ!フェンデル兵から、ラントの民衆を避難させ撃退せよ!」




指示されたのとともに、ストラタの軍勢は動き出した。
















背後からフェンデル兵の3人が、ヒューバートに飛びかかる。


アスベルとルマは、ヒューバートの援護に向かった。





――パンッ!!

ヒューバートは、凛とした顔で自分の技を次々と繰り出していく。

アスベルも負けず劣らず、技を決めていく。





「魔神剣!!」



――シュッ



「うぐっ…!」




相手の兵は膝まずき、とてもいたそうな顔をしながらフェンデル兵は撤退していった。




アスベルは、青年の方へ駆けていく。



「ヒューバート…。ヒューバートなのか?!」




ヒューバートは、アスベルの顔を鋭い目で睨み付ける。
アスベルの質問には答えず、ラントの民衆の方へと、向かった。











「ラントの見なさん、安心してください。僕の以前の旧姓は、”ヒューバート・ラント”です―――。」





民衆はヒューバートの帰りを、喜んでいた。






『あれは、アスベルの弟なの?』



アスベルはうつむきながら、コクリとうなずいた。







その時のルマは、なぜアスベルが悲しい顔をしているかは知る由もなかった。






『アスベル…?』




「俺は…七年前に、ここを離れる時、ヒューバートとも離ればなれになったんだ。あいつは、オズウェル家の養子として、引き取られてしまったんだ。…もうあいつは俺の事なんか、兄弟だと思ってないかもしれないな…。」





ルマとソフィ。
治療をしながら、遠くから話を聞くシェリアは、アスベルを見つめているだけだった。











―シェリアside―





フェンデル兵との戦いで、深い傷を追った、ラントの兵。



私は、味方の兵に治癒術をかけながらアスベルとルマの話を小耳に挟んだ。




――アスベルは、私の事はなんとも思っていないの…?


私は、七年前皆が離ればなれになって淋しかった…。




――アスベルも変わったわよ…。




































――何も知らないくせに。
私の気持ちなんか。――










_05・終


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