TOG‐テイルズオブグレイセス‐

□08
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――離したくない。温もり。




























_08










―――バンッ!!




『ソフィ!!』




扉を開けると、そこにいたのはソフィと男の兵士が二人。






(あれは…。バロニアの騎士学校の…?どうして…。)




男達は、ソフィとルマを見て何かこそこそ言っている。



「なぁ…。コイツら…、例の…。



「あぁ…。」





何を言っているのだろうか。
警戒をしていると、遂には剣を構えてきた。




「アスベル・ラントはどこにいる?早く差し出せ。」




『っ…。ソフィ、いくよっ!』




ルマは自分の銃を瞬時に抜き出した。
ソフィも戦闘体勢に入る。




『フォースカルサンダー!』




――パンッバンッ!




「っぐぁ!!」

ルマの銃弾がうまく命中した。



「ふっ!はぁあぁっ!!」




「ぅぐっ…。」




ソフィも2、3回蹴りを入れると騎士は気絶しまった。



「…。この人たち、アスベルを探してた。」




『どうして…。ぁ。』


――キィィ


「アスベル。」



ソフィはアスベルに駆け寄る。
アスベルは、外に出てきていた。
まだ少し、顔が赤い。



『アスベル、まだ顔が赤いよ。もう少しだけ休まなくちゃ。』




「いや、もう大丈夫だ。それに、あんまり此処にも留まれなくなったみたいだしな。」



アスベルは、気絶する騎士を見て言う。



『…。アスベル、彼らは騎士学校の騎士達みたいだけど…。なんの目的で?』




「俺もわからない。だが、安全ではない事は、確かなはずだ。」








アスベルの顔をみると、複雑な顔をしていた。
アスベルは、最近まで騎士学校に所属していた身だ。なぜこんな事になったかはわからないだろう。同じ騎士学校の人間に狙われるのは、辛いだろう。


こんな短期間で何があったのか、アスベルも疑問に思った。




ルマ達は、バロニアの連絡港へ先を急いだ。








『っ…。はぁ…はぁ。』




「ルマ…?」




ソフィは、ルマの異変に気がついた。



『大丈…。ぅ…!!』




また…。また。あれが…。


目元から首筋のアザが、肉眼で見えるほどの脈を激しくうつ。



「ルマっ!」



アスベルは倒れかかったルマを支えた。



『はぁ…。ごめ、ん。もう、大丈夫。』




どうやら海辺の洞窟のときよりは軽傷だったらしい。



「本当か?」




「ルマ、もう大丈夫?痛くない?」




『うん、大丈夫。ありがとうソフィ。』



私は、小さくてかわいいソフィの頭を撫でた。
本当にそっくり。”あの子”と。



アスベルは、支えていたルマの体から手を離した。




『ぁ…。』




「え?」




『ぁ、ううん!なんでもないっ!行こうか。』







なんでかな…。今、離されて少し、嫌だったっていうか…。うーん。





私たちは、再び先を急いだ。









バロニアの連絡港につくと、さっきの騎士達が早くも追いかけてきた。


だが、まだ気がついていないようた。急いで船に乗り込み、バロニアを目指した。






















[バロニア]



バロニアは、重たい空気に包まれていた。
いつもは、賑やかなはずのバロニア、だが人っ子1人も見つからない。




ソフィは辺りを見回す。



「誰もいないね。」




『1000年前のバロニアは、こんなに暗い場所なの?』




「いや、いつもは人がたくさんいるんだが…。やはり、バロニアで何かあったのか…?」





「何をとぼけた事を言っている。」




背後から聞き覚えのある声が聞こえた。



「お前達は!」




先ほどの騎士がもう追い付いてきた。




『ねぇ、教えて。バロニアでは今、何がおきているの。』




「何をとぼけた事を…。まぁ、いい。リチャード殿下が亡くなった。これからは…」




何かをいいかけたが、もう1人の騎士が止めた。これ以上言ったらヤバイことなのだろうか。



「とりあえず、お前達は我々にとって邪魔者だ。」



騎士は身構えようとするが、ルマ達は走ってその場を後にした。







「リチャードが亡くなったって、どういう事だ…?!」




『アスベル、とりあえず落ち着いて!嘘かも知れないよ。リチャードを探そう?』





「っ…。あぁ、そうだな。」



ルマ達は、聖堂の前までやって来た。
ここから城の中に潜入できるらしい。




『この扉、開かないね…。』




「私がやってみる。」




――ボカッ―――ドォン



「ソフィ!…また、扉を破ったのか…。」




「”また”?」




「あ、あぁ。何でもない。いこう。リチャードを探しに!」







(無事で居てくれ。リチャード…!)





_08・終

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