TOG‐テイルズオブグレイセス‐

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ルマ達一行は、リチャードの信頼できる人”デール公”の屋敷に行くため、ウォールブリッジの近くまでやって来ていた。





「リチャード、これからどうする。相手の兵がここまでも見張っているみたいだが…」




「そうだね…。困ったものだ…。」



アスベルとリチャードが作戦を練っている中、ソフィは何かを見つけたようで、一人にしたら危ないと思ったルマは、ソフィに着いていった。






「…。(ジー」



ソフィは、一点を見つめている。

ルマは、ソフィに声を掛けた。





『ソフィ?どうしたの?』




「あれ…。」




小さく華奢な手で、それを指差す。
その先には、赤と白の髪の色をした少女か女性と思われる人が、ぐーがぐーがとイビキをたてて寝ていた。




「人。」




『なんでこんな所でねているのかな…。』


ルマが声をかけようとしたとき、その人はピクリとうごめいた。




「んぅ〜。ん゛? っはぁぁあ!」




『な、何っ?!』




起き上がったと思ったら、次にはソフィを目にすると、ソフィ目掛けて走ってきた。




そして…。











ペタリ。



「…嫌っ!!」






―――ドカァアアアン





「あ〜れ〜ぇぇぇ…。」















――刹那。


ソフィにペタっと触ると、ソフィはそれを嫌がり、ものすごい力でその女性を吹っ飛ばしてしまった。





『そ、ソフィっ! いくらなんでも、生身の人間に…。』




ソフィは一瞬の出来事が怖かったのか、とっさにルマに抱きついた。


それと同時に、アスベルたちが駆けつけてきた。



「どうしたっ!何かあったのか?!」



「すごい音がこっちまで聞こえて来たけど、怪我はないかい?二人とも。」




アスベルとリチャードは、私たちを心配するが…。



実際心配するのは、あの女性。

生身の体でソフィに吹き飛ばされたのだ。
ソフィは小さな体をして、以外と強大な力だから、無事ではすまないだろうと、ルマは予想していた。





『う、ん。私たちは大丈夫だけどね…』




「触られた。」




「触られた?誰にだ。」



アスベル。まるで父のようだ。ルマは心の中で突っ込みを入れていた。



ソフィの指差す先には、人影が見えた。





『まさか…、あんな生身で無事だったの?! ありえない…。』




女性は、低い崖をよじ登ってきた。




「ん〜。お願いっ!もう一回っ。もう一回だけ触らせてぇ!」




「嫌っ。」




「お前は何者だっ?!」




『(ホント、何者よ…。なんで無傷なのさ…。)』




「あたし?あたし、パスカルっ!よろしくぅ〜♪22歳っ」




『ぇー…。』




「に、22歳?」




「そーだよ。22歳っ!ってことで、もう一回触らせ――「嫌。」





ソフィに触ることを拒否された、”パスカル”は、その場で子供のように地団駄を踏んでいた。



その光景をみて、ルマとリチャードは目を会わせると自然と笑みがこぼれた。





『それで…、パスカルはどうしてあそこで寝てたの?』




「ん?あたし? あたしは、ここの近くにあった、遺跡をつかって、こっち側にワープしてきたんだよ。」




最初は全員が理解をしなかったが、パスカルは見ればわかると言って、その遺跡につれていってくれた。



遺跡は草地に埋め込まれたような所にあった。





「ここに立って。」


言われた通りにそこにたつ。





――パァァアア




「なんだ、これは…」




「もう、遺跡の中についたのかい?」




『これ…、なんかで見たことがある…。』




「石が浮いてる…。」



パスカル以外は、このような場所に来るのは初めてで、好奇心と少しの不安感でいっぱいだった。





「どうやってここにきたんだ?」



アスベルがパスカルに問うが…



「簡単だよ。カチャカチャポンッってやっただけだから。」




説明が大雑把すぎるだろと、アスベルは苦笑いする。

パスカルと会話が成立する者は、一生現れないだろうと誰もが思ったが…。





『へぇ!カチャカチャポンッって、やるだけでいいんだ!すごい簡単なんだぁ。』




「うん!ルマも今度やってみたら?」




『じゃあ、ここから出るときは私にやらせてっ!』




「なんで会話が成立してるんだ…」




「ははっ…。面白くていいじゃないか。僕は嫌いじゃないよ。」




「私も、ルマすき。」




「ソフィ…。そう言う意味じゃなくてだな(汗)」




「? どういう意味?」




「っあー。いや…なんでもない。」












頼もしい同行者がつき、再び歩き出すルマ一行であった。





_10・終

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