TOG‐テイルズオブグレイセス‐

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遺跡を突き進むこと数十分。




ようやく目的地、パスカルの言う「ソフィの幻」のところへついた。




『けど…。何もないよ?あるのはおっきい機械だけだし…』




「そうだな…。なあ、パスカル。これをどうすればいいんだ?」




アスベルは、回りをうろちょろするパスカルに問う。


パスカルは回りの浮かぶ輝石を見ながら言った。



「んー?それも、カチャカチャポンッてやれば、一発だけど?」




と、また訳のわからない言葉を使う。
アスベルとリチャードには、勿論全く持って通じていない。



だが、ルマには通じているようだ。




「アスベル、とりあえずいじってみたらどうだい?」



リチャードがそう言うと、アスベルは大きな機械の前にたって、操作を始めた。








――カチャカチャ―ビーッビーッビーッ








「あれ…。ははっ…。なんか、ダメだったみたいだな…。」




『ぁーぁ。』





アスベルは自分の機械音痴に、1人ショックを受けていた。




「アスベル…。どんまい。」




『ソフィ、その言葉どこで…(泣)』






ソフィとアスベルの間をパスカル通り、なれた手つきで機械を操縦し始めた。













――カチャカチャ――ポンッ







「あ、どうやらできたみたいだね。」




『さすがパスカルっ』





リチャードとルマは、そんなパスカルを感心していた。






「んもー。アスベルこんな簡単なのになんでできないのさぁ」




「…パスカルもう言わないでくれ…。」




『あら…。そうとうダメージ受けてみたみたいだね。』





――ポンポンッ




ふわりと、優しくアスベルの頭をなでる小さな手があった。




「ソフィ…」



アスベルは自分の頭を撫でるソフィを見つめた。




「よしよし。」



ソフィは少しぎこちないが、口元の口角をあげていた。






アスベルは少し感動したのか、涙が流れていた。



リチャードはそれを見て




「ふふ…。どうしたんだいアスベル。」


と茶化した。



『どーしたのアスベルパパっ(笑)』


ルマも一緒になって茶化す。




「ち、茶化すなっ!グスッ」





四人でたのしく話していると、パスカルが大きな声をあげた。





「もぉ〜っ!みんなぁ!あたしを1人にしないでよぉ〜。」





ピーピー泣いているパスカルがみんなの目についた。




『ごめんね。パスカル。』





「うぅ。ソフィ〜、私を抱き締めてぇ」







と、どさくさに紛れてソフィにさわろうとするパスカル。
ソフィはそれを激しく「嫌だ」と言って拒絶した。
パスカルは「ぶぅ」と口を尖らせている。



ふとアスベルは、パスカルが起動した機械をみつめた。



そこには、小さな幻のソフィが立っていた。




それに続いてリチャードも機械に気がつき、近づいていった。





「…これは」




「…確かに、ソフィに似ているね。パスカルさん、他に解ることは?」



リチャードがパスカルに聞くと、パスカルは頭を片手で抱え「うーん」と唸り始めた。



「他に解ることは…。ここに書いてあるのだと…、ラ…ムダ?って言うことしか書いてなくて、意味はわからないなぁ」






すると、ソフィは胸に手をあてて何かを考えている。
ルマも聞き覚えがあるのか、頭を抱え始めた。





「どうしたんだい。二人とも…。何か、聞き覚えでもあるのかい?」




リチャードに聞かれると、ソフィは「ラムダ…ラムダ…」と呟くが、やっぱり思い出せない様子だ。




ルマも何かを考える。



(聞き覚えはあるんだけど…っ?!)




















『っう゛。あ゛ぁあぁっ! い、やだぁっ!! やめ…て…ぇっ!! 』



「ルマ!?ちょっと、なんなの?!どうしちゃったの!?」



また、また。
『あのアザ』が激しく脈をうちはじめた。
片手で顔を押さえつけた。


ルマは方膝をつき、倒れそうになる。






「「ルマっ!!!」」






気絶したルマを、リチャードとアスベルが支えた。
この状況がよくわからないパスカルには、ソフィが説明をした。



気絶したルマをリチャードがおぶり、そのまま急いで出口に向かった。











_11・終


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