TOG‐テイルズオブグレイセス‐

□15
1ページ/1ページ




15
















『もう…。私ってどうしてこうしちゃうかなぁ…。』





パスカルは、私のために心配してくれただけ。

アスベルも、私を守るために
あそこに隠してくれただけ。


なのに
どうして私は悪い風に考えてしまうの…。





イライラするの
そんな自分が。




だけど
みんなの言葉が本当の事をいっているのか
、思っているのかわからない…。




怖い…。










私の中で
みんなの存在が…変わっていってしまう…。








自分が…
















自分じゃなくなってしまうような…。














「ルマぁあぁあ!」





『パスカル…。ソフィ…。』




私を、追いかけてきてくれたんだ…。






「ルマ…。」




ソフィがしゃがんでいるルマの頭に触れようとする。



















































『…っ!さ、わらないでっ…!!』























ルマはそこで
感じたことのない感覚と恐怖に襲われた。





ソフィは手をびくりと震わせながら
引っ込める。



パスカルは、急なことでパニックになり
言葉が出なくなる。



























「ルマ…?!」




『あ…。』



アスベルが3人の様子を目にしていた。




『アス…ベル。』




「どうしたんだルマ?!」




「そうだよルマっ。どうしたの?!」




『わた…し…。』




「…。」





ソフィは何も言えないルマを見てうつむいた。



『ちが…うの…ソフィ…。あなたの事…嫌いじゃ…ない…。』






ルマの頬を温かいものが流れる。




次々と、流れてくる。






止まらない。止めたくても、止められない。
いろいろな感情が込み上げる。




憎しみ、哀しみ、苦しみ。
いろいろな感情が。






「ルマ…。」




アスベルがルマの名前を呼ぶ。
また、守れなかった…。と言いたそうな顔で。




『私は…。私じゃないみたいなの…。』




「ルマがルマじゃない?それってどういう事?」




『わからない…。わからないの…。私の中に何かが…、何かがいるみたいなの…。私がだんだん私じゃなくなってしまう…みたいで…。』





「…」




ソフィはそんなルマの何かの異変を感じていた。






一方リチャードは――――















「…っ?!今…。今ルマの声が…僕の中に…?!」








(イッショニイコウ…。イコウ…。)




「っ?!誰だ…?!」






(ワタシハ…。ダ
イッショニ…イコウ。)





「ルマ…? 今、ルマの声も…っくぁああぁ!!」






リチャードの中で何がうごめく。






「っぁあぁあ!や、めるんだぁぁあああぁ!……ぁっぁああああ!」

























ルマとリチャードの中で
何かが共鳴しあっていた。






15 終
next→16



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ