□夕焼けの部屋で
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俺って不器用だから。

こんな時しか伝えられないんだ。


*夕焼けの部屋で*


「ちわーー……あれ?」



二ヶ月ぶりに中央へ帰ってきたエドワードは執務室のドアを開けて固まった。


「皆……いない」


いつも騒がしいハボックやブレダは愚か、必ずいるリザまでもが部屋を空けていた。

シンとした部屋は薄い夕焼けの光が差し込んで、やけに淋しく見えた。


「なんか事件でも起こって……収集がかかったのかな?」


という事は大佐もいないのか……と呟いて。



みるみる内に顔が夕焼けよりも赤く真っ赤に染まる。


「ななななに言ってんだ俺!!何会いたかったなぁなんて思っちゃってる訳俺!?あはは」



部屋の中、誰もいないのに恥ずかしがっている姿は実に不気味で、廊下を歩く軍人達は悪いものでも見てしまったように目を背けていた。


一人悶えていれば開けっ放しのドアから一人の軍人が顔を覗かせる。


「エドワード君……久しぶりだね。何…やってるんだい?」

「ブロッシュ軍曹!久しぶり〜」



奇妙な表情のブロッシュになんでもない、と繕って皆がいない理由を聞いてみる事にした。


「そういえば、今日中尉達は町で視察だったと思うよ。エドワード君は何しに?」

「俺は大佐に報告書を……って思ったけど大佐視察か……」


どうりでいない訳だと呟けばブロッシュが怪訝な顔をする。
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