□好きと言うこと
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『大将、お前大佐なんかの何処らへんが好きなんだ?』

そう聞かれた。


*好きだと言うこと*



司令部の庭で昼寝をしていたら少尉にあった。

なんとなく大佐の事を聞いて見たら、そう聞かれた。

そういわれれば俺は大佐の何処らへんが好きなんだろう?


「どうした、鋼の」

「……ぇ?」

「ぼー、としているぞ。寝不足なんじゃないのか?」

「んー…」


そういって苦笑する大佐。

あ、俺大佐のこういう所好きだ。

世にいゔ優しいトコ"?

あんただって寝不足だろ。目の熊すげぇ。


「少し昨日徹夜したからな。君が今日帰ってくると分かって仕事を残しておく訳にはいかないだろう?」


また見つけた。

そうやって俺を一番に考えてくれる所。

柄じゃないけどキュンとくるよ。

あ、キモイとか思うなよ。


「さて、今回の報告を聞こうか」


そういって仕事モードに切り替わる大佐。

手を組み顎を乗せてめったに見れない真剣な顔。

俺だけにしか見せない笑顔もカッコイイけど。

こういう大人っぽい所もカッコよくて好きかな。


「どうした?」

「ねぇ、大佐」

「ん?」

「大佐は具体的に俺の何処らへんが好き?」


報告とは全く関係ない事を口にだしてみる。

大佐は驚いたように固まっていたが、すぐにあの笑顔になる。

「私は君の全てが好きだよ」

「全てって?」

「君の言葉一つ、仕草一つ、表情一つ、全てを私は愛しているということだよ」


全て。

全て好きだから具体的に何処が好きかなんてわからないんだ。
大佐の存在も入れて全て好きだから。


そうか。



「俺も大佐の全てが好きだよ」

めったに言わない事を言ってみた。

大佐は一度目を見開くと、とろけるような笑顔を浮かべる。


「嬉しい事を言ってくれるね」
「時々は素直になんだよ」



俺は大佐のあの低くて甘い声も、
嬉しそうな笑顔も
真剣な表情も
優しいさりげない仕草も
全てが好きなんだ。


な、そうだろ。大佐。


「って事で俺は大佐の全てが好きだ」

「……はぁ」

「なんだよ!その薄い反応!もっとさぁ…へぇーよかったなぁ!とか、言うことあるだろ?」
「……」



食堂で俺は少尉を捕まえてこの前の返答をしていた。

やはり科学者なもので、自分でもわからなかった事を知る事が出来た事は嬉しかった。


「って事だから!」


俺はぼけーとしている少尉をおいて颯爽と食堂を出た。

俺今カッコイイな。







残されたハボックは、あまりかるいきもちで彼に質問するのはやめようと心に誓っていた。





FIN

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