鋼
□少し男前に
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積極的な君もやっぱり可愛い
*少し男前に*
驚いた。
まさか足を払われるなんて思いもしなかった。
「………鋼の?」
「ぁんだよ」
「いきなり何だね?」
風呂から出ると先に出ていたエドワードの姿がなく、寝室を覗いてみた所、淡い電灯の光で読書をしている彼がいて。
『エドワード、そんな所で読んだら目が悪くなる。今電気をつけるから…』
『あ、いや良いんだ、電気つけなくて。それよりここの構築式おかしくないか?』
『どれだ?』
文献の一部分を指差す彼に興味をひかれてベッドに座る彼の隣から覗きこんだ。
瞬間
隣にいたはずのエドワードが消え代わりに足が横に払われる。
重心を無くした体は後ろへと傾き―――
ドサッと柔らかなベッドの上に倒れ込んだ。
即座な反応が遅れたのはまさかエドワードがそんな行動に移るとは思わなかったからで。
何をする――と起き上がろうとしたロイの耳に聞こえたギシッというベッドが軋む音と、起き上がるのを阻止するように胸の上に添えられた手に息が止まった。
目を上げればニヤリと笑うエドワードがいて、そのエドワードが自分の体を跨いでいる事に絶句する。
「いきなり何をするんだ」
「何って……ナニだけど?」
「なぜ君が上」
「いいじゃん、今日は俺がシてやるよ」
そういってツーと首筋に指を這わせるエドワードが、
「何も言わなくても満足させてやるから」
そう言って見たこともない厭らしい顔で笑った。