*dream*
□相合い傘
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雨だった―――
しかし傘を持っていない、私は一人で下駄箱で立ちすくんでいた。
昨夜ちゃんと天気予報を見ていればよかった、と思うものの、
今となってはもう遅い。
小雨ならまだしも、随分と強く降っていて、当分止みそうにもない。
「友達も帰っちゃったしなぁ…」
遅くまで図書室にいたせいか、友達は皆帰ってしまい、
残ってる生徒はごくごくわずかで、その人達はみんな傘を持っていた。
どうして帰るかあても見つからず、あっと言う間に10分が経過しようとしていた。
時間的にもやばいしな…仕方ない…
「先生に借りよ…」
面倒くさいがぬれて帰るよりかはだいぶマシだろう。
もう一度上靴に履き替え職員室に向かおうと、思い、振り返ろうとした瞬間―――