トラッカー日誌
□目覚め
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「輝ぅ〜いつまであんたは探してるの??工場長待ってるよ!」
同い年ぐらいの女性がお盆を持って入ってきた。
「待ってよお嬢〜これから持って行くから…ちょっとさ…」
輝[ヒカル]と呼ばれた人は私の方をチラッと見た。その目線に気付き女性はこっちに振り向く。
「あれっ起こしちゃった?ごめんね。具合どうかな?」
なぜかまた謝られた。まさか姉弟なのか?それにしては似てなすぎる。関係が分からない。
「早く工場長の所に行きなよ。朝食は準備しとくから」
「アイサー」
男は棚の上にあったノートを持って部屋を出て行った。 少し香里奈似の女の子は男を見送りこちらに振り向き言った。
「どう?具合悪くない?なんか食べれそう?」
美代梨は少し間を空け頷いた。
なら良かったと言って持っていた盆を机に下ろし、本人もソファーに腰をおろした。小皿と楕円形のお皿が乗っていた。楕円形のお皿には黄金色の液のかかったフレンチトーストがのっている。
「飲み物何飲む?牛乳、コーヒー、麦茶や紅茶その他レモン、アップルティーとかあるけど…」
まさかの種類の多さに戸惑った。どこかの喫茶店なのだろうか?
「えっ…あっとじゃあレモンティーでお願いします」
はいよ、と言って彼女は立ち上がりながら、ちょっと待ってね、と言って時計の下の棚に向かった。その背中に話し掛けた。
「あの…すいません。あの男の人とはどのような関係なんですか?
あと、ここはどこなんでしょうか…?」
彼女は湯気のたつマグカップを持ちながら振り向いた。そしてティーパックを上下しながら微笑みいった。
「あいつは私の幼なじみの宮下輝。ちなみに私は佐々木香奈。
そしてここは、
[美奏丸一家]の本社[総合運送会社(有)鶴舞急送]よ」