ヘタリア

□嘘だよ
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俺な、今めっちゃ悩んどんねん。
女の子がおるんやけど、その子の事や。

今日も昨日も一昨日もその前も。
悩み続けてる。





「あ、親分お帰りなさい!」
「・・・何でおんねや」


家帰ってきたらアイツがいつもおる。
どうしたらええ?
どうしたら・・・


「親分カッコイイ☆」
「うざい」


コイツを引き離せるん?




だって、1週間前だって。


「おはよう親分!今日もいい天気だね!」
「せやな、お前が邪魔でよう天気見えへんけどな」


朝起きたら名無しさんが目の前におった。


・6日前

「私、親分の家掃除したよ!」
「あ、そー」


・5日前

「親分大好き!」
「どっか行け」


・4日前

「親分、私達もう結婚するしかないよ」
「消えろ」


・3日前

「親分!チュロスの作り方覚えたよ!」
「へーそうなん?」


・一昨日

「私は親分を永遠に愛し続けます!」
「やめろ」


・昨日

「親分の夜ご飯作ったよ!」
「食わん」


・今日

「親分、1回で良いから抱きしめてー!」
「ほんま、くたばれ」




親分親分親分親分・・・。
いい加減叩きたくなるわ!
毎日毎日なんなんこの子?


「私は冷たい親分も好きです!」
「あんな、迷惑やねん」
「知ってます!」
「何で知ってんねや・・・」


今まで言わんかったけど、今日はスッパリ言ったるで!


「俺、お前の事苦手やねん」
「はい!存じてます!」
「近づいてほしくないねん」
「はい!・・・そうなの?」
「せや、嫌いなんや」
「・・・私?」
「あぁ、お前の事嫌やねん」
「・・・」


あかん。
こんな風にするつもりやなかったんに。



名無しさん、


泣いてもうた。


「・・・ごめん」
「・・・」
「う、嘘やんな」
「・・・」
「嫌いなわけないやん」
「・・・」
「こんな俺の事好きなんに、嫌いなわけないやん」
「・・・」


俺はたくさん名無しさんの頭を撫でてやった。



早く泣きやんでくれへんかな。
そしたら、ちゃんと話せるのに。









嘘だよ
「泣きやんだ?」
「・・・親分、大好き」
「はいはい、ありがとな」


好きになってあげられたら最高やんな。

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