サボテンの恋

□甘い甘い、キミ。
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「雨、降っちゃったね」

窓の外は土砂降り。


部活帰りには、降ってなかったけれど。

…まぁこれで、

「今日は泊まってくよね?手塚」

また明日の朝まで一緒にいられるから良いんだけどね。


(…全くコイツは…)

確信犯の微笑みに呆れ返りながらも、手塚は安堵の気持ちが胸を満たすのを感じていた。

俺も俺、か…。

「不二、俺はもう寝る…」

「え…まだ10時なのに?」

「疲れた…」

まぁ、7時から約二時間もの間、散々その身体で僕の愛を受け止めていたものね、当たり前か。
だけど…

「ねぇ手塚?折角の泊まりなのに、もう寝るなんて…勿体無くないかい?」

「…お前まさかまだ…」

するつもりか、と呟く言葉は重なった唇の熱に書き消され。
ベッドから体を起こした手塚に、不二は優しく抱きついた。


「全然足りないよ…手塚」

熱を含んだ吐息が耳に響き、ただそれだけの刺激にも関わらず…息が上がってしまう。

「ふ…不二…」

「明日は部活無いしさ…立てなくなっても、僕が看病してあげるから…ね?」

「そういう問題じゃ…んっ」

チュッ…

「…手塚っ…大好きだよ…」

「は…っ…ふ、じ……っ」


疲れていたはずなのに、こんな風に耳元で囁かれただけで、口付けられただけで…
身体が熱くてたまらない。


「クスッ…君こそもうとっくにその気じゃない」

「………っ」

最後の反抗とばかりに顔を背けても、時既に遅し。

「最後まで楽しませてもらうよ…手塚♪」

甘いキスの反撃に、再び呑まれていくのだった…

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